果実酒といえば、ブドウを原材料とするワインがあまりにも有名ですが、リンゴを使った「シードル」も世界中で愛飲されているお酒です。
リンゴの甘味と酸味、そしてすっきりと爽やかな喉ごしを楽しめるシードル。今回は、比較的手軽に購入できるおすすめシードルをご紹介します。
シードルはリンゴを発酵させて作るお酒のこと。 使われるリンゴは「ゴールデンラセット」や「グラニースミス」などが代表的ですが、国産シードルには「ふじ」もよく使われます。
シードル(cidre)がフランス語であることからもわかるように、フランスのブルターニュ地方やノルマンディー地方が主な産地として有名です。ちなみに、英語では「サイダー(cider)」となり、日本では炭酸飲料の名称として広まっていますね。
さて国産のシードル(お酒)は、青森県弘前市で酒造工場を営んでいた吉井勇氏によって醸造されたのが最初とされています。戦後、吉井氏は欧米を視察する中でシードルに出会い、1954年にアサヒビールの支援を受けて朝日シードルを設立。56年に商品を発売しました。現在もアサヒビールがシードルの販売を続けています。
シードルの産地は、先述したフランスのほか、英国、スペイン、ドイツ、スウェーデン、そして米国と欧米諸国が中心です。
ただし、近年は日本でも、大手メーカーだけでなく、シードルを製造する農家や醸造家が増えているようです。
また、地域も広がりを見せています。リンゴの主産地である青森県や長野県にとどまらず、東北地方や中国地方のワイナリーでも、シードルやアップルワイン造りが盛んに行われています。
シードルは、アルコール度数が2〜8%程度で、お酒が強くない人でも比較的飲みやすいアルコール飲料といえます。選び方のポイントとして、まずは「味」に着目してはいかがでしょうか。
味は発酵時間の長さに応じて、「甘口」と「辛口」に分かれます。発酵時間の短い甘口タイプは、基本的にアルコール度数も低いため、初心者の方にはおすすめです。
一方、辛口はアルコール度数が高くなりますが、すっきりとした口当たりで、爽快感は増します。食中酒としても最適です。
ヴァル・ド・ランスの「クリュ・ブルトン ブリュット」は、シードル専用として栽培されたフランス・ブルターニュ産のリンゴを100%使用。約2カ月間、低温発酵でゆっくりと醸造したシードルです。
こちらはアルコール度数が5度の辛口タイプ。特徴は何と言ってもドライで爽やかな喉ごし。よく冷やして飲むことをおすすめします。
価格は750ミリリットル入りで1300円程度。甘口、中辛口タイプもあります。
元々キリンが飲食店向けに展開していたシードルを、家庭用商品として2016年に発売したのが、この「ハードシードル」です。ネーミングが表すように、甘さは控えめで、はじけるような炭酸が飲み手の心地よさを高めます。
また、290ミリリットルというほどよいサイズなので、そのまま飲むのはもちろん、カクテルの原材料としても使いやすいですね。パーティーシーンなどでも活躍すること間違いなし。
アルコール度数は4.5度。価格は24本入りで4341円(1本あたり181円)です。
日本におけるシードル造りの先駆者、ニッカウヰスキー(アサヒビールのグループ会社)が手がけた国産リンゴ100%使用のシードルです。
目を引くのは真っ赤な色合い。これは、果肉まで赤い希少品種のリンゴ「ジェネバ」を、原材料の一部に使用しているため。見た目のインパクトとは裏腹に、アルコール度数は3度と、優しい仕上がりになっています。適度な酸味と渋味が楽しめる一品です。
価格は、720ミリリットル入りで1900円前後です。
「長野ワイン」を代表する気鋭のワイナリー、リュードヴァンが販売するシードルがこちら。地元・東御市産の「ふじリンゴ」を100%使っています。
アルコール度数は8度と、シードルの中では高い部類に入りますが、やわらかい発泡と酸味が飲みやすく、さまざまな料理に合わせることができます。
Amazonでの販売価格は、750ミリリットル入りで2290円です。
メゾン・サッシーは2014年に設立されたばかりの新しい酒造メーカーです。フランスのノルマンディー地方南部で育った2人の幼なじみが創業したという、ベンチャーストーリーも話題を呼んでいます。
原材料は、完熟して木から落下したリンゴのみという素朴さですが、都会的な味付けとスタイリッシュなデザインが相まって、パリやロンドンなどで大ヒットしました。アルコール5.2度の中辛口で、すっきりとした味わいが特徴です。
価格は330ミリリットル入りで748円です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.