最近、スマートフォンを巡って「eSIM(イーシム)」という言葉をよく聞きます。Fav-Logでも2020年11月にeSIMとはどのようなものかを解説する記事を掲載しています。
大手の携帯電話事業者(大手キャリア)でも、eSIMへの対応が進みました。この記事では、NTTドコモの「Xi(LTE/4G)」または「5G」の通信サービス(プラン)においてeSIMを使い始めるまでの手順を紹介します。少し長く、難しい説明も含まれますが、eSIMに興味を持っている人の参考になれば幸いです。
この記事はahamo(アハモ)以外の料金プランを想定して説明しています。ahamoでは一部の内容が異なりますので別の記事で紹介する予定です。
ドコモでeSIMを使う場合、以下のポイントに気を付けてください(10月24日現在の情報です)。
(※1)ドコモを通して販売されたiPhone/iPadは、SIMロックが設定されている場合でもドコモのeSIMを書き込めます
(※2)本人確認書類が必要です。また、eSIM/SIMカードの再発行手数料として2200円(税込み)が必要となることがあります(手続きをした月の料金と合わせて請求されます)
EIDは32桁の数字で表され、eSIM端末のパッケージ(箱)に印字(または貼り付け)されています。また、端末でも以下の手順で確認できます。
Android端末(Pixelシリーズの場合)
iPhone/iPad
eSIMの新規契約はドコモの通販サイト「ドコモオンラインショップ」から行えます。他の携帯通信事業者からのMNP(携帯電話番号ポータビリティー)にも対応しています。契約手数料は無料です。
手順は以下の通りとなります。
(※3)ドコモの携帯回線を契約している場合、その回線とひも付いた「dアカウント」でログインしておくと、一部項目が自動的に入力されます
(※4)「クレジットカード」か「口座振替」から選択できます。ドコモの携帯回線を契約している場合は「既存回線との一括請求」も選べます
完了画面が表示されると、入力したメールアドレス宛に「お申込受付のご連絡」というメールが届きます。契約審査に問題がなければ、日中の申し込みなら数時間で「eSIM利用開始手続きのご案内」というメールも届きます。後者のメールが届くと、eSIMを書き込めるようになります。
Xi契約を選択した場合は、Xi用料金プランを利用できます。通信可能なエリアは全国のXiエリアとFOMA(3G)エリアです。
5Gを利用できないeSIM対応端末で利用する場合は、Xi契約で利用することをおすすめします。
5G契約を選択した場合は、5G用料金プランを利用できます。通信可能なエリアは全国の5GエリアとXiエリアです。端末を問わず、FOMAエリアでは利用できないことに注意してください。
5Gを利用できるeSIM対応端末では、そのポテンシャルを生かす意味でも5G契約での利用をおすすめします。
ドコモ回線を利用するMVNOサービスからのMNP転入を希望する人で、どうしてもeSIMを使いたい場合は、以下の手順で手続きを行ってください。
(※5)事務手数料として3300円(税込み)が請求されます(手続きをした月の料金と合わせて請求されます)
既存のXi契約、または5G契約のSIMカードをeSIMに移行する場合も、ドコモオンラインショップから手続きを行います。現在契約している料金プランをそのまま引き継いだまま移行できることと、再発行手数料が無料であることが魅力です。
手順は以下の通りです。手続きを始める前に手続きをする回線とひも付いたdアカウントでログインしてください。
この手続きが完了すると、指定したメールアドレス宛に「お申込受付のご連絡」というメールが届きます。新規/MNP契約時とは異なり、通常はこのメールが届いた時点でeSIMの書き込み準備が整います。
ドコモオンラインショップでのeSIM移行手続きは、現在の契約内容をそのまま引き継ぎます。
eSIMへの移行を機にXiから5G、または5GからXiに契約変更したい場合は、eSIMへの切り替え前、または切り替え後にドコモショップで手続きしてください。Xiから5Gへの契約変更は「ドコモインフォメーションセンター」(電話窓口)でも受け付けています。
なお、ドコモショップやインフォメーションセンターでの契約変更手続きは、3300円(税込み)の事務手数料が必要です(手続きをした月の料金と合わせて請求されます)。
eSIMの準備が整ったら、いよいよ端末に書き込みます。実際の書き込み手順は、端末のプラットフォームによって大きく異なりますので注意してください。
eSIMを書き込む端末とは別の端末で、以下の操作を行ってください。
これだけでOKです。ただし、手続き時に登録したものとは異なるEIDを持つ端末にはeSIMのデータを書き込めないので注意しましょう(エラーとなります)。万が一、申し込み時に入力したEIDに誤りがあった場合は、ドコモオンラインショップのチャットサポート(※6)またはドコモオンラインショップセンター(電話窓口、※7)で相談してください。
(※6)オペレーターが対応できる時間帯(毎日9時〜24時)に問い合わせてください(問い合わせた結果、電話窓口に誘導される場合もあります)
(※7)受付時間は毎日9時〜20時です(年末年始は時間を変更することがあります)
10月24日現在、eSIM対応のiPhoneにおいてデュアルSIM機能を利用すると、特定の条件を満たした場合に緊急通報(110/118/119番への発信)ができない不具合が確認されています。詳しくはドコモのWebサイトで確認してください。
別の端末でQRコードを表示してから、以下の手順でiPhone/iPadを操作してください。
これでアンテナが立てば、データ通信は正常に行えます。端末に別のSIMカードを挿入してある場合は、途中で通話や通信で使うSIMカードを指定する手順が加わります(手順は割愛します)。
iPhoneで通話対応のプランを利用する場合は、電源の再投入後に、念のために以下の手順で通話ができるかどうか確認してください。
何らかの理由でQRコードを正しく読み取れない場合は、QRコードの読み取り画面の下にある「詳細情報を手動で入力」をタップし、「SM-DP+アドレス」という入力欄に「https://sm-v4-004-a-gtm.pr.go-esim.com」と入力したら「次へ」をタップしてください(他の欄は“空”にしてください)
10月24日現在、ドコモでは「dtab Compact d-42A」以外のeSIM対応Android端末の動作確認を行っていません。
別の端末でQRコードを表示してから、Android端末を操作してください。
なお、以下の手順はAndroid 12を導入したGoogle Pixelシリーズ(Pixel 4以降)の手順です。Android 11までのPixelシリーズ、あるいは他メーカーの端末の場合、項目名が一部異なる場合があるので注意してください。
これでアンテナと「5G」「4G+」「4G」「3G」のいずれかの表示が一緒に出れば、通話とデータ通信が可能です。
アンテナの表示しか出ない場合は、データ通信の設定が正しく行われていません。spモードのAPNがプリセットされていない端末では、データ通信をするには追加でAPN設定が必要です。プリセットされている場合でも正しく選ばれないことがあるので、必要に応じて選び直してください。
Androidスマホで通話対応のプランを使う場合、念のために以下の手順で通話が正常に行えるかどうか確認してください。
何らかの理由でQRコードを正しく読み取れない場合は、QRコードの読み取り画面になったら以下の手順を実行してください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.