県を挙げて地元ワインのブランド化に取り組んでいるのが長野です。
それが功を奏し、近年は新しいワイナリーや、新進気鋭の造り手が次々と誕生しています。今回は、長野産のおすすめ日本ワインをご紹介します。
日本ワインの生産量は、1位の山梨に次いで長野が第2位です。国税庁の2018年度「ワインの都道府県別生産量・出荷量」調査によると、長野県のワイン生産量は3950キロリットル。これは国内シェアの約23%に当たります。
長野の自然環境は、年間降水量が少なく、日照時間が長いことが特徴です。さらに、海がなく、高い山々に囲まれた内陸部であるため、昼と夜の寒暖差も大きく、これらの条件がワイン造りに適しているようです。
長野のワイナリーは大きく4つのエリアに分けられます。塩尻の「桔梗ヶ原ワインバレー」、松本から安曇野に広がる「日本アルプスワインバレー」、東信から北信地域にかけて千曲川沿いに位置する「千曲川ワインバレー」、そして伊那などを中心とする「天竜川ワインバレー」です。
これらの地域に50を超えるワイナリーがひしめき合っているのが、長野ワインのユニークさであり、強みであると言えるでしょう。新規開業するワイナリーも少なくなく、2014年度から5年間でワイナリーの総数は倍増しています。
長野ワインをここまでのブランドに育て上げたのは、2002年に始まった「長野県原産地呼称管理制度」の影響が大きいでしょう。
これは長野の農産物を全国にアピールすることを目指し、ワインに加えて、日本酒、米、焼酎、シードルを認定してきました。認定を得るには、栽培方法、生産方法、味覚の観点から厳しい審査をパスしなければなりません。これが品質の向上に一役買っています。
2021年度からは、国税庁による「酒類の地理的表示」にのっとり、ワインと日本酒が同時に「GI長野」の認定を受けました。今後は従来の制度の思想を踏襲しながら、GI長野へと移行する方針です。
千曲川ワインバレーの中心的なワイナリーが、東御市にあるリュードヴァンです。オーナーの小山英明氏が荒廃農地を開墾して見事なブドウ畑に変え、2010年に創設しました。そのハイレベルなワインは売り切れが続出するほどの人気です。
このソーヴィニヨン・ブランは、リュードヴァンを代表する白ワインの一つ。青りんごやパッションフルーツといった果実の香りと、豊富な酸味が特徴です。価格は、750ミリリットルで4900円(税込、以下同)です。
リュードヴァンと同じく、東御市にワイナリーを構える、はすみふぁーむ。こちらはコンコードを使った赤ワインです。
コンコードは生食用ブドウで、ジュースやジャムの原材料にもよく用いられます。香りはキャンディのような甘さがありますが、味わいは辛口です。価格は、750ミリリットルで1833円です。
1933年に創業して以来、桔梗ヶ原の地で一貫してワイン造りに打ち込んでいるのが、井筒ワインです。今でこそ桔梗ヶ原は日本有数のワイン産地となっていますが、まさにそこまで育て上げた先駆者と言えるでしょう。
ヨーロッパ由来のブドウ品種であるメルローで造ったこの赤ワインは、井筒ワインの人気商品。ジャムを煮詰めた香りと、まろやかでバランスの取れた味わいが後を引きます。価格は720ミリリットルで2000円程度です。
五一わいんは、林農園が塩尻で運営するワイナリー。ワイナリーの名称は、1911年に創業した林五一氏に由来します。井筒ワインとともに、桔梗ヶ原の歴史を作ってきた老舗ワイナリーと呼べます。
長野で初めてメルローを栽培した五一わいんによるこの商品は、果実味が十分に生かされた、ほどよい渋みとコクのある赤ワインです。価格は、720ミリリットルで1500円程度です。
日本アルプスワインバレーを形成する一ワイナリーとして、2008年にオープンした安曇野ワイナリー。このスパークリングワインは、コンコードを原料にした辛口タイプです。
ブドウの特徴であるキャンディやプラムのような甘い香りと、爽快な喉ごしを楽しめます。価格は、720ミリリットルで2310円です。
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