手書きのメッセージを書く機会が過去に比べて少なくなった今日でも、根強い人気を持つ「万年筆」。高級感がある見た目だけでなく、文字に強弱などの表情を付けやすかったり、長く使っていくうちに使用者の手になじんだ書き味へと変わっていく点も万年筆の魅力です。
万年筆は手軽に買えるものから高額なものまで幅広く販売されているため、どれを選べば良いかわからないことも。今回は、おすすめの「万年筆」を紹介します。
万年筆は、インクの補充方法別に大きく分けると「カートリッジ式」「吸入式」「両用式」があります。
カートリッジ式の万年筆はカートリッジを付け替えるだけでインクの補充ができるタイプ。一方、吸入式は万年筆に直接インクを補充します。そして両用式はカートリッジ式と吸入式、どちらの方法でもインクを補充できるハイブリッド型です。自分で選んだインクを使用したい場合は、「吸入式」「両用式」を選びましょう。
万年筆の書き味は、ペン先の素材によって異なります。一般的によく使用されているのは「金」と「ステンレス」です。
金のペン先は万年筆の中でも高価なものが多いですが、柔らかく滑らかな書き味が特徴です。さらに金のペン先の中でも含有量に幅がありますが、最も一般的なのは14K〜18Kのモデルでしょう。
一方ステンレスはペン先が固めなので、カリカリとした書き味が好みの方におすすめです。値段も比較的安価で、コストパフォーマンスが良い製品が多いです。
線の太さにも注目しましょう。線の太さは「字幅」と呼ばれ、細めのものからしっかりした太さのものまでさまざまです。手帳などの記入に使用する予定なら細いものを、あて名書きに使用する予定なら太めのものを選ぶなど、メインの用途にあわせて選びましょう。
また、メーカーによってはペン先の形状にも幅があります。強弱をつけやすいペン先や、縦線のみ太く書けるペン先など、非常に奥が深いため、一度足を踏み入れたら抜け出せなくなってしまうかもしれません。
プラチナ万年筆「プレジール(PLAISIR)」シリーズは、インク詰まりを解消する独自開発の「スリップシール機構」を搭載した高性能キャップが特徴のカードリッジ式万年筆です。1年以上メンテナンスをしなくても詰まることなく、いつでも新鮮なインクで筆記できます。
ペン先はステンレス製。ボディにはパール加工が施されており、擦り傷がつきにくい仕様です。販売価格は700〜1100円前後となっており、初心者でも手を出しやすい価格帯になっています。
プラチナ万年筆の「プロシオン(PROCYON)」シリーズは、「キラリと輝く万年筆」をコンセプトにデザインされた万年筆です。「スリップシール機構」を搭載しているため、長期間使用する機会が無くてもインクが詰まりません。
ペン先には「五角絞り」を採用。ステンレス製ながら金製のような書き心地が味わえます。さらに、インク補充の際には、ペン先の肩口まで浸すだけでインクを吸入できる新設計になっています。販売価格は4100〜5500円前後です。
セーラー万年筆の「プロフェッショナルギア」シリーズは、しなやかな21金ペン先を採用し、軽いタッチで線の強弱やインクの濃淡を表現できる両用式の万年筆です。
キャップにはセーラーのシンボルマークが刻印されており、高級感あふれる印象。「中字」の販売価格は1万7385円(税込、以下同)です。ペン先のバリエーションが多く、「極細(EF)」「細字(F)」「中細(MF)」「中字(M)」「太字(B)」「ズーム(Z)」「ミュージック(MS)」から用途と好みに合わせて選べます。
パイロット(PILOT)の「カクノ(kakuno)」シリーズは、万年筆を初めて使う方にもおすすめの製品です。軸とキャップは転がりにくい六角形、グリップは指にフィットする三角形で持ちやすい仕様です。
また、特殊合金製のペン先には笑顔のマークがついています。筆記する際は笑顔のマークを上にすれば良いので、子どもが使用する場合でもわかりやすくなっています。コンバーターとカートリッジの両用式。販売価格は1000円前後です。
「ソネット」シリーズは、英国王室御用達ブランドPARKER(パーカー)の定番モデルです。ペン先には書き味の良い18金を採用。高級感のある外観と実用性を兼ね備えています。
コンバーターもカートリッジも使える両用式です。とっておきの1本として、あるいはプレゼントとしてもぴったりな万年筆です。販売価格はカラーと字幅によって8000〜2万円と幅があります。
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