「腕時計らしいメカっぽさ」で人気の「クロノグラフ」。男心をくすぐられる腕時計ですが、「どのモデルを購入すれば良いのかが分からない」と感じる方もいるでしょう。
この記事ではそんな方に向けて、クロノグラフの特徴・魅力と、おすすめの製品についてご紹介します。1万円台から10万円台前半の製品から、特におすすめしたい製品をピックアップしています。
物欲系ブロガー。理系出身で首都圏在住。「物欲紳士ブログ」にて、ミドル世代メンズの視点から「長く使える愛用品との出会い」をテーマに記事を執筆中。趣味は「良いモノ」集め、カメラと写真、クルマとドライブ、旅行、革細工などのモノ作り。
「クロノグラフ」とは、時刻の表示機能に加え、計時機能を備えた腕時計のことです。計時機能とは、いわゆる「ストップウォッチ」のこと。軍事やスポーツなどの分野で、「腕時計の形態で、ストップウォッチを使用したい」といった要望があり、そうしたニーズに応えて誕生したのがクロノグラフです。
クロノグラフの最も一般的なスタイルとして、通常の腕時計と同様の時分針に加え、3個の小窓(インダイアル)を備えています。1つ目は「秒針」、残りの2つは「時・分の測定時間」を示します。3針式の腕時計では秒針に当たる中央部の針は、秒単位の計測時間を示します。加えて竜頭(りゅうず)の上下に2つの操作ボタンがあり、計時機能の操作が可能な形が一般的です。
さらに一部の製品には、風防(文字盤前面のガラス体)外周のベゼル部に「タキメーター」(速度読み取り尺)を備えます。タキメーターは、「測定対象が1kmを移動するのに要した時間」を測定することで、平均時速を表示できる変換尺です。自動車レースなどのスポーツの分野から発展してきた、クロノグラフの歴史を現在に伝えるディテールだと言えます。
パルサー (Pulsar) は、70年代に米国で創立された腕時計ブランド。現在ではセイコーの傘下となり、主に欧米の若者向けの製品を展開しています。ファッション性とコスパに優れたラインアップが見どころのブランドです。
「PM3129X1」は、過去に英国空軍のパイロット向けに供給された製品の民生モデル。シンプルなブラックの文字盤に、アラビア数字のインデックス。ミリタリーな製品の魅力が詰まった、質実剛健な仕上がりです。実売価格で1万円台からとリーズナブルな点もポイント。カジュアルな装いに、気楽に合わせたい1本です。
機構部には10分の1秒単位の計測が可能な、クォーツ式のムーブメントを採用。グレーのナイロン製ストラップはコーディネートの自由度も高く、汎用ベルト(別売)への交換も容易です。ケース径は約42mmで、ケースはステンレス製。100m防水です。
デザイン性の高いモデルをお探しの方には、シチズンの「レコードレーベル」より、「ツノクロノ」の愛称で知られる名機の復刻版をご紹介します。
「AN3660-81A」は、白黒に塗り分けられた「パンダダイアル」が印象的な1本。竜頭と操作ボタンが12時位置に配された、独自性に溢れた外観となっています。ブレスレットは直線的なデザインとなる一方、本体ケースは滑らかな曲面で構成されています。「エッジ感」と「有機性」とが融合した、「70年代らしさ」が感じられるデザインです。
機構部には、バッテリータイプのクォーツ式ムーブメントを採用。税込みで2万円台というコスパの高さも魅力的です。ケース径は38mmで、ケースとブレスレットはステンレス製。5気圧防水となっています。
「正統派な1本」をお探しの方には、セイコーのスタンダードラインのソーラーモデルをピックアップします。
「SBPY167」は、3つのインダイアルに加えてタキメーターを備えた、スタンダードな「クロノグラフらしさ」が特長の1本。文字盤はブラックで統一され、シックな仕上がり。オンからオフまで、幅広いシーンで活躍してくれそうです。
機構部には、フル充電で約6カ月間も駆動するソーラータイプのクォーツ式ムーブメントを搭載。風防の素材にサファイアガラスを採用し、10気圧防水に対応するなど、高い実用性も魅力です。ケース径は約42mm、ケースとブレスレットはステンレス製です。文字盤の色違いのモデルも、各色がラインアップされています。
ビジネスシーンで映える「デキる男の1本」をお探しの方には、シチズンの「アテッサ」より、「AT8044-56E」をおすすめします。
「アテッサ」は、外装素材にチタンを採用した人気シリーズ。チタンは鉄系素材(ステンレスなど)よりも軽量で、耐金属アレルギー性にも優れた高機能素材です。さらに本機では、外装部材に「デュラテクトDLC」と呼ばれる、表面に硬質なカーボン被膜を形成する黒化処理を採用。すり傷の付きにくさに加え、オールブラックのシックな外観を実現しています。
機構部には「エコ・ドライブ」を採用。電波ソーラー方式のクロノグラフムーブメントで、ストップウォッチ機能は20分の1秒単位での計測が可能です。さらに竜頭の操作のみで、世界の各都市の時刻を表示できる「ダイレクトフライト」機能も搭載。クロノグラフのスタイルに現代的な機能を搭載した、ビジネススタイルに間違いのない1本です。ケース径は41.5mm。10気圧防水で耐磁1種の日本製。風防はサファイアガラス製です。
なお型番違いとなりますが、チタンシルバー色のタイプや、文字盤色が色違いのモデルも用意されています。
「個性的な製品を愛用したい!」という方には、あの人気アニメの主人公が着用した製品の復刻モデルをご紹介します。
イエマ (Yema) は1948年に創業したフランスのブランド。「ミーングラフ・スーパー」は、「ルパン三世」のTVアニメ第1シリーズ第1話で、主人公のルパン三世が着用したことで知られるモデルです。
時単位の計測機能を持たない、いわゆる「2カウンター」(インダイアルが2つ)と呼ばれるスタイル。前述した「インダイアルが3つ」のタイプが普及する以前の、クロノグラフの古典的なスタイルです。
本機の最大の特徴は、ブランドが「ミーングラフ」と呼ぶ独特な機能。回転式のベゼル部には「移動距離を示す目盛り」、内側の文字盤外周部には「経過時間を示す目盛り」が付されています。移動距離と経過時間を測定し、ベゼルを回転させて両者を合わせることで平均時速を算出できる、一種の計算尺となっています。
機構部には、セイコー製のメカクォーツ式ムーブメントを搭載。クォーツ式の精度・利便性と、機械式の「秒針の滑らかな運針」の特徴を両立。さらに良好なコスパも実現しています。ケース径は約39mmで、ケースとブレスレットはステンレス製。10気圧防水です。
この記事では、「男らしいメカっぽさ」で人気のクロノグラフについて、その特徴とおすすめの製品をご紹介しました。
カジュアルに着用できる製品からビジネス向きのモデル、「うんちく語り」ができる個性的な1本まで、幅広いモデルが存在することが分かりました。「あなたらしい1本」を選ばれる際に、ご参考にしていただけますと幸いです!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.