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【ツーリングにおすすめの1台】スズキ「GSX-S1000GT」は、快適性とスポーツ性のバランスが秀逸

» 2023年06月19日 17時00分 公開
[大屋雄一Fav-Log]
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 バイクの楽しみ方の1つである「ツーリング」。長距離を快適に移動できることを目的に設計されたバイクは「ツアラー」と呼ばれており、ドイツのBMWをはじめ、かつては世界中の2輪メーカーがこぞって意欲的なモデルを投入していました。

 昨今、そのテリトリーがダート走行も可能な「アドベンチャー」に侵食されつつありますが、アドベンチャーバイクは排気量が大きくなるほどボリュームと車重が極端に増え、小柄なライダーでは取り回しや足着きで苦労してしまいます。そんな背景もあってか、昨年ホンダとスズキがそろってリッタークラスにツアラーを投入しました。

 今回はそのニューモデルである、スズキの「GSX-S1000GT」を紹介しましょう

ツーリングバイク スズキ GSX-S1000GT(出典:スズキ公式サイト

大屋雄一

大屋雄一

モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。

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スズキ「GSX-S1000GT」のスペック

ツーリングバイク スズキ GSX-S1000GT(出典:スズキ公式サイト
  • 価格:159万5000円(税込)
  • エンジン形式:998cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
  • 最高出力/最大トルク:150ps/1万1000rpm、105Nm/9250rpm
  • 車重:226kg
  • ホイール径:フロント17インチ、リヤ17インチ
  • シート高:810mm

グランツーリスモ“GT”を名乗るに相応しい完成度の高さ

 スズキで人気のリッターネイキッド「GSX-S1000」が2021年にフルモデルチェンジし、それをベースに設計されたのが「GSX-S1000GT」です。スポーツツアラーとしては、2020年モデルで生産終了となった「GSX-S1000F」の後継機種にあたりますが、外観は全くの別物。

 風洞実験や空力解析を経て生まれたスタイリングは、左右のミラーがライダーの腕に当たる走行風を軽減するなど、細部まで徹底してウインドプロテクションが追求されています

ツーリングバイク スズキ GSX-S1000GT(出典:スズキ公式サイト

 エンジンは今や稀少な998cc水冷並列4気筒で、最高出力は150psと非常にパワフルですが、誰もが怖がらずに扱えるよう、スロットルレスポンスをA/B/Cの3段階に切り替えられるライディングモードセレクターを設けています。

 さらに、クラッチレバーを操作せずに変速できる双方向クイックシフターや、後輪のスリップを抑制するトラクションコントロール、スロットルを操作せずに一定速度を維持するクルーズコントロール、発進時のエンジンストールを防ぐローRPMアシストなどを採用。ライダーをサポートする電子制御がふんだんに盛り込まれており、大型車が初めてという人でも安心できるでしょう

 空力面でもエンジンパフォーマンスでも、ツアラーとしての性能を徹底追求。快適に長距離を移動できる乗り物をグランツーリスモ(グランドツアラー)と呼びますが、「GSX-S1000GT」はそれを名乗るに相応しい設計となっています。

快適性とスポーツ性、ツアラーとしてのバランスが秀逸

 ツアラーの必須装備であるカウリング。これが大きくなるほどライダーに当たる走行風は減りますが、度が過ぎると左右方向への操舵(そうだ)が重くなり、高速道路での車線変更ですら苦労することになります。「GSX-S1000GT」の場合はこのバランスが絶妙で、満足できる防風効果がありながら、峠道でのスポーツ性は失われていません

 そして、カウリングによるダウンフォースや慣性ダンパー効果がプラスに働くのか、ネイキッドである「GSX-S1000」よりもフロントから旋回する傾向が強く、挙動も落ち着いています。

ツーリングバイク スズキ GSX-S1000GT(出典:スズキ公式サイト

 サスペンションは電子制御ではありませんが、それでも乗り心地は優秀です。前後ともプリロードや減衰力が調整できるので、好みにセッティングできるのもうれしい要素でしょう。

 さらに、スズキ2輪車初となる専用アプリ「SUZUKI mySPIN」に対応していることも忘れてはいけません。近年、メーターとスマートフォンがBluetoothで接続できる機種が増えてきましたが、「SUZUKI mySPIN」は電話やメールの着信が分かるだけでなく、地図やカレンダーをフルカラーTFT液晶ディスプレイに表示させることができます。

 純正アクセサリーのサイドケースまで同時に開発されるなど、グランツーリスモの名に恥じない作り込みがなされた「GSX-S1000GT」は、ツアラー復権を象徴する1台と言えるでしょう

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