2023年現在、セダンの人気が陰っており、新車で購入できる車が数えるほどしかありません。1990〜2000年代初頭にはセダンが数多く販売されており、いずれも個性的な車ばかりでした。なかでもトヨタ自動車が生産・販売していた「アリスト」は、高級セダンでありながらスポーツカーのような走行性能を発揮した異色の存在でした。
この記事では、そんなトヨタ・アリストの魅力を紹介します。
大学卒業後、大手メーカー系自動車販売会社に勤務。在職中は個人顧客を中心に年間平均60台の新車を販売。自動車保険の見直し提案などの経験も豊富。その後、金融業界に精通した業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事するとともに、2級ファイナンシャル・プランニング技能士およびAFP資格を取得。2018年よりライターとして活動を開始。新車ディーラー業界の裏話やファイナンシャルプランナーの視点から見た車購入アドバイスだけでなく、お得なカー用品やガジェット紹介等も得意とする。私生活では3児とうさぎ2羽の父。【保有資格】2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)
アリストの見た目は高級セダンそのものですが、セダン特有の古臭さを感じさせないスポーティな外観が特徴です。特にフロントフェイスは4眼の灯火類に、スポーツカーテイストのグリルをあしらっています。
また内装の質感や装備面においても、高いレベルが追求されています。上質な素材を使用しており、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出しています。もちろん高級セダンなので、革張りで快適なシートやオーディオをはじめとした豪華な装備が装着されています。
アリストの心臓部には、トヨタの上級スポーツカー「スープラ」に搭載されているエンジン「2JZエンジン」が採用されていました。2JZエンジンは、過酷なチューニングにも耐えられる頑丈な作りも評価されており、スープラやアリスト以外の車にスワッピングされ、モータースポーツなどで活躍するほどのエンジンとして名高いです。
トヨタには名機と呼ばれるエンジンが多数存在しますが、この2JZエンジンはトップ3に入るほどの人気と実力を兼ね備えています。
初代アリストは、トヨタの高級車「クラウンマジェスタ」と同じプラットフォームを採用した姉妹車でした。しかし、2代目アリストは新規プラットフォームを採用。全長4805mm、全幅1800mmと、クラウンとほぼ同等サイズになりました。
日本の道路事情に適したボディサイズなので、比較的狭い道でもそれほど運転が困難にならないという特徴があります。
ちなみにこのアリストに採用されているプラットフォームは、以降のトヨタのFR車に採用されるプラットフォームとなっています。
アリストは今となっては珍しい、ハイパワーなFR車です。そのためチューニングベースとしても人気が高く、特にドリフト競技のシーンでも見られるようになりました。搭載エンジンのチューニングノウハウが蓄積されていることも相まって、高級セダンとしては珍しいポジションを築いています。
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