山並みや雲海、その土地特有の地形など、普段見られないような絶景を眺められるのは登山の醍醐味。自分の足で苦労して登ったからこそ、その感動はひとしおで、一生モノの思い出になります。
今回は、登山好きライターが「絶景が話題の日本百名山」のおすすめを紹介。大活躍だった登山ギアもあわせて紹介するので、登山準備の参考にしてください!
フリーランスライター兼アウトドアショップスタッフ。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。勤務するアウトドアショップのお客さまから寄せられるお悩みや自身の山体験を生かし、リアルで深い内容を発信! リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
「木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)」は、長野県駒ヶ根市に位置する標高2956mの日本百名山。中部山岳国立公園に含まれ、中央アルプスの一つです。木曽駒ヶ岳の魅力は、なんといっても「千畳敷カール」と呼ばれるおわん型の地形。氷河期の氷で侵食されてできた地形で、壁が視界いっぱいにそり立つ様子は圧巻です。
7・8月には、カールの下部にシナノキンバイやコバイケイソウなどの高山植物が咲き誇ります。青空と岩のグレー、高山植物の緑や白、黄など、色とりどりの景色が一度に楽しめ、まるで絵のように見入ってしまいます。
千畳敷カールまでは、駒ヶ岳ロープウェイを使ってふもとから一気に上がることができるのも魅力。そこから約2時間で山頂に着きます。開けた登山道には難しい岩場も少なく、よく整備されているので、初めての日本アルプス登山にもおすすめです。
山頂付近は、八ヶ岳や南アルプス、富士山、北アルプスなどが見渡せる大パノラマが広がっています。長時間登り続ける体力はないけれど、高山の絶景を堪能したい人にこそおすすめのスポットです。
岐阜県高山市に位置し、標高2898mを誇る日本百名山「笠ヶ岳(かさがたけ)」。最もメジャーな笠新道コースは、急な上り坂が続く健脚向けのコースとしても知られていますが、「苦労して登ってよかった!」と思えるような絶景が待っています。
笠ヶ岳最大の魅力は、稜線や山頂から見える周辺の山の眺め。北アルプスに属する笠ヶ岳の周辺には、穂高連峰や槍ヶ岳、立山連峰がたたすずんでおり、その雄大な山姿を間近で見ることができます。
1泊2日で色々な表情が見られるのも特筆すべきポイント。昼間には静かにそびえる姿を、日の出や日の入りのタイミングには、赤く染まる姿を眺められます。
アルプスの他の山と比べて登山客がやや少ないこともあり、混雑などを考慮せずにのんびり眺めを楽しんだり写真撮影をしたりできるのも、絶景好きにはうれしいポイントです。
森林限界(高い木が生育できない限界線)を超える爽快さを味わえるのも魅力。笠新道コースは、はじめのうちはやや暗い樹林帯を登りますが、2500m付近の森林限界を超えると、パッと視界が開け、辺りが明るくなります。
見晴らしがよく開放感たっぷりの景色が見えるようになるとともに「こんなところまで自分で登ったんだ!」という達成感が味わえるのは、森林限界以上の標高のある高山ならではです。
白馬岳(しろうまだけ)は、後立山連峰に位置する日本百名山で、標高は2932mです。後立山連峰の中では最も標高が高いため、見晴らしも抜群。山頂付近からは、剱岳(つるぎだけ)などの北アルプスをはじめとして、ぐるりと景色が見渡せます。
白馬岳の魅力の一つは大雪渓。駐車場やバス停のある「猿倉」から1時間30分ほど登った先にあり、真夏でも雪が積もっているスポットです。永遠に続くような白い道が迫力満点! シャリシャリと雪を踏む感覚が楽しめます。また雪で風が冷やされるので、火照った体も癒されます。
筆者は雪山を経験していない頃に大雪渓を歩きましたが、特にスキルが必要な箇所はなく、チェーンスパイクをはいて安全に登ることができました。とはいえ、落石やクレバスへの落下は注意。できればヘルメットを装着し、周囲に気を配りながら慎重に歩きましょう。
また、大雪渓を登りきると急な上り坂になりますが、登山道のわきには高山植物のお花畑が広がっており、華やかな景色を堪能できます。コロコロと表情が変わるのも白馬岳の魅力です。
安達太良山(あだたらやま)は、福島県にある標高約1700mの山。あだたら山ロープウェイを使えば、10分間で約391mの標高差を一気に上がることができます。そこから約1時間30分ほどで山頂に着くことができ、登山道はよく整備されているため、登山初心者にも挑戦しやすい日本百名山です。
安達太良山で見られる絶景は、しばしば“月面世界”とも例えられる赤茶色に染まった火口の様子。明治時代の大噴火でできたダイナミックな火口を、登山道から見下ろすことができます。近くに見える赤茶色の土から遠くの火山灰や山々、青空までのグラデーションが美しく、青々とした樹林帯の山歩きとはひと味違う、迫力ある景色が満喫できます。
10月は、紅葉の名所としても人気です。なだらかな斜面に生息するカエデやブナ、ミズナラなどが赤や黄に色づき「紅葉の絨毯(じゅうたん)」を作ります。東北ですが、首都圏からも車やバスなどで行きやすいスポットです。
傷や衝撃に強く、アウトドアで使いやすいボトル。耐熱温度100度のため、肌寒い朝などにお湯を入れて湯たんぽとして使うのもおすすめです。
小型で登山にぴったりのヘッドライト。照らしたい場所によってライトの角度を変えられるので使い勝手も抜群です。
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