キャッシュレス決済が主流になってきた昨今、“ポイ活”に精を出している人は多いと思います。日々の買い物で地道にポイントをためるのもいいですが、意外と盲点になっているのが公共料金の支払いでの“ポイ活”です。
公共料金をクレジットカード払いにすれば、毎月自動的にポイントがたまり、解約しない限りは延々とポイントがたまっていきます。
この記事では、1年でどのくらいポイントをためることができるのかのシミュレーションや、公共料金の支払いにおすすめの高還元率のクレジットカードを紹介します。
最後に、クレジットカード払いにする手続き方法もお伝えするので、すぐに公共料金で“ポイ活”を始められますよ!
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。
公共料金と聞いて思い浮かべる「電気」「ガス」「水道」「電話料金」などは、銀行口座から毎月一定額が引き落とされるのが一般的でしたが、昨今はこれらのほとんどがクレジットカード払いに対応しています。
公共料金は固定費として、毎月決まった額を自動で引き落とされることが多いのでは? そのため支払いをあまり意識しない場合が多いのですが、ここをクレジットカード払いにしておけば、勝手にポイントが付いてたまっていく状態にできるわけです。
クレジットカード払いにできる固定費は次のようなものがあります。
※事業所によっては対応していない場合もあるので、利用中の電力会社、ガス会社、水道局などが対応しているか確認しましょう
中には家賃までクレジットカード払いが可能な場合もあります。毎月の公共料金を含めた固定費の中で、クレジットカード払いにできるものを確認し、この機会に切り替えてみてはいかがでしょうか。支払い方法の切り替え手続きについては、この記事の最後に載せています。
実際、どのくらいポイントが付くのか、総務省統計局「家計調査」のデータを用いて試算してみましょう。
1カ月の電気代、ガス代、水道料金、通信費を還元率1%のクレジットカードで支払った場合の獲得ポイントを表しました(下記図参照)。
1カ月では数百円なので、大したことないと思いがちですが、固定費は生活が続く限りずっと払い続けるものです。1年どころか、10年、20年と払い続けるものなので、4人家族であれば、10年で4万3740円、20年では8万7480円のポイントをためることができます。
最近は、電気料金やガス料金などが値上がりしていて、この調査時よりも費用がかかっていると思われます。せめて、ポイント還元で家計への負担を和らげたいものですね。
公共料金の支払いに使うクレジットカードは、ポイントがたまりやすい高還元率のカードがよいでしょう。注意したいのは、通常の利用での還元率よりも公共料金の支払いでの還元率を下げているクレジットカードがあることです。
ここでは、公共料金の支払いでも還元率が変わらない、還元率1%以上で年会費無料(条件付き無料含む)のクレジットカードを5つ紹介します。
リクルートカードは、利用代金の1.2%の還元率でリクルートポイントがたまります。さらにリクルートのサービスを使うとプラス1〜3%還元されます。リクルートポイントはPontaポイントやdポイントに等価交換できるので、ポイントを有効利用できます。
「JCB カード W」は18〜39歳限定入会のカードです。しかし39歳までに入会しておけば、40歳以降も年会費無料で継続できます。Oki Dokiポイントは1000円(税込、以下同)=2ポイント付与され、交換先によってレートが変わります。交換レートが高いのはnanacoポイントで、Oki Dokiポイント1ポイントがnanacoポイント5ポイントになります。
100円で1ポイントがたまり、たまったポイントはdポイント加盟店やd払いなどで1ポイント=1円として使えます。またドコモの携帯料金に充当することもできます。
dカードは電子マネー「iD」と一体型になっており、「iD」の支払いでも100円につき1ポイントがたまります。
PayPayカードはPayPay残高にチャージができる唯一のカードです。通常還元率は1.0%ですが、ヤフーショッピングやLOHACOでの買い物にPayPayカードを使うと、最大5%のポイントが付きます。ためたポイントはPayPayで1ポイント=1円としてすぐに使えるので便利です。
エポスゴールドカードの通常の還元率は0.5%ですが、ゴールドカード特典である「選べるポイントアップショップ」を利用すると、対象ショップでの支払いのポイントが3倍になります。お気に入りのショップを3つ選べるので、公共料金の支払い先を対象ショップに登録すれば、還元率が1.5%になります。登録できる公共料金の支払い先は東京電力や東京ガスをはじめ全国34ショップあります(2023年8月時点)。
最後に、公共料金をクレジットカード払いにするためのインターネットでの手続き方法をお伝えします。会社によって手続き方法は異なりますので、あくまでも一例としてご覧ください。
1.各公共料金のホームページにアクセスする
2.各種手続きのページから「お支払い方法の変更」をクリック
3.クレジットカードでの支払いを選ぶ
4.契約者情報(氏名、住所など)を入力する
5.クレジットカード情報を入力する
6.送信して申込み完了
インターネットでの手続き以外に、郵送での手続きもあります。インターネットでは数分で申し込みが完了するので、思った以上に簡単です。この機会にクレジットカード払いにして、固定費での“ポイ活”を始めてみませんか?
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