ここ数年、ゲーム市場で存在感を発揮してきた「ハンドヘルド型ゲーミングPC」。その代表的な機種として、前編では「Lenovo Legion Go」を紹介しましたが、他にも魅力的な選択肢は多く存在します。
ここでは、最近発売された主要な3機種を紹介。それぞれのモデルの概要と抑えておくべきポイントをチェックしていきます。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
ASUSのROG(アールオージー)ブランドから展開されているハンドヘルド型ゲーミングPC。同シリーズは、複数モデルを展開していますが、2023年9月に発売された「ROG Ally(RC71L-Z1512)」は、プロセッサーにAMD Ryzen Z1を搭載したモデルです。
ディスプレイは7.0インチで、解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)。リフレッシュレートは120Hzをサポートします。OSはWindows 11 Home 64ビットを採用しています。
重さは約608gで価格は9万円前後(税込、以下同)。より処理性能の高い「AMD Ryzen Z1 Extreme」を搭載したモデルも展開されており、こちらは約11万円からです。
周辺機器については、別売りでACアダプター「ROG Gaming Charger Dock」(実売価格1万円前後)が用意されています。これを使用することで、HDMIケーブル経由での外部モニターへの出力に対応。据置型ゲーム機のように使えます。
また外付けグラフィックスデバイス「ROG XG mobile」を使えば、ハイスペックなゲーミングデスクトップパソコンとしても使用可能。ただし、こちらは本体より高額なこともあり、万人向けのオプションとはいえません。
中国AYANEO製のハンドヘルド型ゲーミングPCで、日本ではリンクスインターナショナルが取り扱っています。複数のモデルが展開されていますが「AYANEO AIR 1S」は2023年11月に発売された機種です。
ディスプレイサイズは5.5インチで、競合と比べるとひと回りコンパクトなサイズ感が特徴です。端末の厚みは最薄部で21.6mmあり、重さは約450gとなります。
有機ELパネルを採用し画素密度は404ppi。解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)です。OSにはWindows 11 Homeを採用。搭載するプロセッサーはAMD Ryzen 7 7840Uです。
ボタン配置について本体下部にシステム操作に便利な専用キーを備えていたり、本体上部に指紋認証センサーを搭載していることなども見逃せません。
実売価格は14万円前後から。カラーバリエーションは「オーロラホワイト」「ポーラーブラック」「レトロパワー」の3色です。ハンドヘルド型ゲーミングPCとしては珍しく、白を基調にした仕上げを選択できます。
「Steam Deck」は、ゲーム配信プラットフォームの「Steam」を運営するValveが販売するハンドヘルド型ゲーミングPCのブランド。「Steam Deck OLED」は、日本では2023年12月に発売された新モデルです。
ディスプレイサイズは7〜7.4インチ。プロセッサーには6nmプロセスのAMD APUが搭載されています。
同モデルは、従来のSteam Deckと比べると、ディスプレイがHDR対応になり、バッテリー持ちが長くなったほか、Wi-Fi 6Eをサポートしていることがポイントです。
公式ストアでの価格が5万9800円からと手ごろな選択肢も用意されていることが見逃せません。リフレッシュレートなどにこだわらないのであれば、他の選択肢と比べて手を伸ばしやすいです。
ただしOSとしてゲーム用途に特化した「SteamOS 3」が採用されています。PCとして利用できなくはないものの、Windowsの使い勝手をイメージしていると乖離があるので、その点は予め理解しておきましょう。
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