フリマアプリ「メルカリ」を見ていると、ときどき驚くような出品物があります。「これ、出品していいの?」と疑問に思い、調べてみるのですが、出品禁止物になっていないのです。
衣類や本、雑貨などのよくある出品物とは一線を画すもの。その1つが「銀歯」です。今回は、メルカリで取り引きされる「銀歯」について深掘りします。
フリマアプリ・ネットオークションの専門家。2004年、夫が子育てのために会社を辞めたのをきっかけにヤフオク!(当時はヤフー!オークション)を始める。経験を積みながら独自のノウハウを構築。2014年にフリマアプリをスタート。NHK「あさイチ」をはじめとした多数の情報番組に出演し、経験に基づいた実践型のフリマアプリやオークションの魅力を伝えている。また節約や時短が大好きで、安くて便利なアイテムに興味あり。よく利用するのはダイソー。
メルカリの出品物の中に、「銀歯」があります。そう、歯の治療に使う銀歯です。歯にかぶせていたものが取れてしまったり、違う方法で治療するために不要になったりした銀歯が出品されているようです。
それなりの期間、人の口の中にあったものなので、出品するのも購入するのも気が引けそうですが、実は取り引き自体はとても活発です。
銀歯が取り引きされていることに驚きを隠せない人もいるでしょう。なぜ銀歯が購入されるのかというと、銀の相場が関係しているといえます。
銀価格は2019年に急激に上がり、2023年は1g平均100円以上、そして2024年2月27日時点では、1g123円台となっています(出典:田中貴金属)。
銀価格が上昇していることも影響して、メルカリで銀歯の需要が高まっているのではないでしょうか。もちろん、銀価格は値動きがありますが、メルカリの取引価格が敏感に反応するわけではないようです。
銀価格が1g当たり120円ほどであっても、メルカリでの銀歯の取引価格は、銀歯1つ当たり2000円を超えるものもあります。取り引きされている銀歯の重さは、1つ当たり1g〜3g程度のものが多いようです。銀価格と銀歯の取引価格には、大きな差が生じていますが、これはいったいどういうことなのでしょうか。
その理由は、銀歯の材料に理由がありそうです。銀歯は銀だけではなく、金やパラジウムなどが使用されており、これらの価格高騰も影響しているようです。
銀歯が売れるなら、金歯を出品したらもっと高く売れるのでは? と思う人はいるかもしれません。ただ、金歯はメルカリに出品できません。メルカリの出品禁止物に「貴金属の地金(金属塊、インゴット、延べ棒など)、地金型金貨」があり、金歯はこれに該当するからです。
ただ金歯は、メルカリに出品できなくても、買取可能な店舗があります。もし不要な金歯が手元にあるなら、そこへ持ち込んでみるのもよいでしょう。
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