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究極の折りたたみ自転車「ブロンプトン」がすごい理由 愛用歴6年の筆者が思う“高価だけど後悔しない”魅力とは

» 2024年08月11日 10時00分 公開
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 最も安い仕様ですら26万円という折りたたみ自転車が存在します。英国生まれの「ブロンプトン」は、1986年に量産がスタートして以来、ほとんど姿を変えずにロンドンで作り続けられています。ブロンプトン歴6年の筆者が、その魅力についてたっぷり紹介しましょう。

フォト ※イメージ

大屋 雄一

大屋雄一

モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1,500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。

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たたむのが簡単でコンパクト!

 ブロンプトンと名付けられた折りたたみ自転車は、1975年にイギリス人のアンドリュー・リッチー氏によって設計され、1986年に量産が開始されました。これまでに生産された台数は100万台を超えており、文字どおり世界中で愛用されています。

フォト ホテルの室内や玄関先に置いても邪魔にならないコンパクトさ

 ブロンプトンは、工具を一切使うことなく折りたためるのが美点の一つで、要する時間はわずか20秒ほど(慣れれば10秒以下)。折りたたみサイズは565×545×250mmで、大きめのコインロッカーならそのまましまえるほどコンパクトなのです。

 折りたたんだ状態で地面に自立する上に、持ち上げても形がくずれることはありません。さらに、2本のホイールの間にチェーンが位置するので、持ち運んでいる際に衣類にオイルが付着しにくいなど、まさに理想的な設計となっているのです。

適正身長の幅が広いので、親子で共有できる

フォト 写真は筆者、身長は175cm。ブロンプトンの適正身長は145cm〜185cm前後

 ブロンプトンに乗る人の適正身長については、目安として「145cm〜185cm前後」と表記されています。145cmは、男子なら小学校高学年ぐらいでしょうか。子供から大人まで乗れてしまうので、出先で貸し借りができるというのもメリットの一つでしょう。

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たくさん積んでもハンドリングに影響なし

 筆者が最も感心しているのは、積載性の高さと、それによるハンドリングへの影響の少なさです。フレームの前端にはフロントキャリアブロックと呼ばれるパーツがあり、そこに純正アクセサリーの各種バッグが取り付けられるようになっています。

フォト バッグはフレーム側に付くので、ハンドルを左右に切っても動かない

 一般的なママチャリなどはハンドル側にカゴがあるので、積む荷物が増えるほど操縦に影響し、フラつきやすくなります。一方、ブロンプトンはフレーム側に荷重がかかる設計なので、積んでいることを忘れてしまうほどハンドリングに影響がないのです。

フォト 前後に純正アクセサリーのバッグを装着した状態

 なお最大積載荷重は、フロントが10kg、リアラックが10kgで、合計で20kgもの荷物を運ぶことができます。実際、筆者は伊豆大島に渡ってキャンプツーリングをしたことがあるのですが、キャンプ用品をたくさん積んでいたにもかかわらず何の問題もなく操縦できたことに、心底感心しました。

フォト 伊豆大島でキャンプツーリング。テントはワークマン

輪行がしやすい だから旅先に連れて行きたくなる

 ブロンプトンは「輪行」がしやすいのも大きなメリットです。輪行とは、公共交通機関を利用して自転車を運ぶ手段のことで、スポーツサイクルなら前後のホイールを外し、専用の輪行袋に収納して持ち込むのが一般的です。

フォト これまでに電車やフェリー、飛行機での輪行を経験

 以前は筆者もロードバイクやMTB、グラベルバイクで輪行をしていたのですが、分解と組み立てに時間を要すること、チェーンやタイヤに触れるため手が汚れること、しまい方が悪いと自転車に傷が付いてしまうなどの理由から、すっかり遠ざかってしまいました。

フォト 筆者の最遠方輪行は宮古島。ブロンプトンと島旅の相性は抜群

 これに対し、ブロンプトンは工具不要かつ約20秒で折りたため、しかもコンパクトになることから、輪行熱が再燃。これまでに電車やモノレール、フェリー、高速ジェット船、そして飛行機での輪行を経験していますが、壊れたり傷が付いたりといったことは一度もありません

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フレーム保証は7年 耐久性は驚くほど高い

 折りたたみ自転車は、フレームのヒンジ部分に応力が集中しやすく、粗悪なモデルはここから破断する事例が多々あります。品質保証のない、極端に安い折りたたみ自転車をおすすめできない理由がここに集約されます。

 ブロンプトンのメインフレームはスチール製(チタン製もあり)で、16インチホイールの折りたたみ自転車としてはやや重めです。しかしそれは頑丈に作られている証でもあり、保証期間は7年となっています。

フォト オフロードのホビーレースにブロンプトンで参加したときの様子

 筆者はこれまでに二度、オフロードのホビーレースにブロンプトンで参加しているのですが、走行後もきしみ音は発生せず、壊れる様子は全くありません。もちろん本来の使い方ではないのですが、ブロンプトンの頑丈さは本物と言えるでしょう。

フォト バイクのリアシートに積んで、キャンプツーリングをしたことも

価格はネックだが、長く乗れるのは間違いなし

 ブロンプトンを買う上で最大のネックとなるのは価格でしょう。変速機の段数やリアラックの有無、フレームカラーなどによって値段は変わるのですが、筆者が購入したのは2018年で、「M6R」のブラックエディションという全部盛りの限定車が22万6800円でした。

 このときですら清水の舞台から飛び降りるぐらいの決断を要しましたが、2024年現在では2段変速のリアラックなしという最もシンプルなモデルすら26万150円から。M6Rに限りなく近い仕様では29万5350円です。

フォト チタンフレームかつカーボンパーツ多用のTラインは85万2500円から

 とはいえ、ブロンプトンの実力を知ってしまったからこそ、他の折りたたみ自転車による代用は難しいというのが正直な気持ちです。

 折りたたんだ姿ですら美しいスタイリング、カスタマイズパーツの豊富さ、そしてリアサスペンションによる快適な乗り心地など、魅力を挙げれば切りがないのです。高価ですが後悔はさせません。ぜひ“ブロンプトン沼”にハマってください!

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