Exchange 2000徹底解剖
変貌するExchange 2000

 さらにExchange 2000では,リッチテキストストア(*.EDBファイル)のほかに,新たにネイティブコンテンツストア(*.STMファイル)という機能がサポートされている。Exchange Server 5.5までは,インフォメーションストアに情報を格納するために,必ずExchangeで認識できる形式(MDBEF)に変換しなければならなかった。しかしExchange 2000の場合は,インターネットから送られてきたメッセージやオーディオデータ,ビデオデータなどを,MDBEFというExchange形式にわざわざ変換してからEDBファイルに格納するのではなく,そのままの形式でSTMファイルに格納するようになっている。データ形式の変換という余計な作業が不要になった分だけ,CPUパワーを無駄遣いしなくてすむ。

 実際にExchange 2000を導入したWindows 2000上でWindowsエクスプローラを起動させ,M:ドライブを開いてみると,次のように表示されることがわかる。


M:\ <ドメイン名> MBX Public Folders

 MBXはメールボックスストア(Exchange Server 5.5では「プライベートインフォメーションストア」と呼ばれていた)のルート,Public Foldersはパブリックフォルダストアのルートである。MBXの配下にはメールボックス関連のフォルダが用意されており,Public Foldersフォルダの配下にはパブリックフォルダが表示される。

 たとえば,Windowsエクスプローラから自分のメールボックスフォルダにOfficeドキュメント(Wordファイル)をドラッグ&ドロップでコピーしたとする。この処理は,自分のメールボックスに当該Wordファイルを格納したことと同じ結果となる。逆に,Outlookからパブリックフォルダに対してメッセージを投稿すれば,WindowsエクスプローラのPublic Foldersフォルダにはその情報がメッセージファイルとして格納される。もちろん,このメッセージファイルはM:ドライブを通じて参照できる。さらに,編集中のWordファイルを保存する際,Wordのメニューから[ファイル]−[名前を付けて保存]を選択し,共有されたM:ドライブまたは追加したWebフォルダを保存先のドライブとして指定すれば,Officeアプリケーションから直接Exchange 2000のインフォメーションストアにファイルを保存できることになる。Webフォルダについては, 後ほど述べることにする。

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