Exchange 2000徹底解剖
開発環境としてのExchange 2000 Server

HTTPによるアクセスとOWA

 Fig.2-2でも示したように,Web Storage SystemはさまざまなプロトコルやAPIによるアクセスに対応している。しかし,「Web」という名前を冠していることからもわかるように,その中心となるのはWebで使われるHTTPである。そこでまず,HTTPによるWeb Storage Systemのアクセス方法について説明する。

IISとWeb Storage Systemとの関係

 Web Storage Systemは,IISと連携することでHTTPによるアクセスを可能にしている。

 Exchange 2000 Serverをインストールすると,IISには次の3つの仮想ディレクトリができる。

  • http://サーバー名/Exchange/
     ユーザーのメールボックス(MBX)。

  • http://サーバー名/public/
     パブリックフォルダ(PUBLIC FOLDERS)。

  • http://サーバー名/Exadmin/
     Exchange 2000のストア全体。

 これらの仮想ディレクトリの設定は,IISの管理ツールによって参照することができる。たとえば,Exchange仮想ディレクトリの設定を見ると,“M:\ドメイン名\MBX”が設定されていることがわかる(Fig.2-10)。Mドライブとは,ExIFSによって仮想的なファイルシステムとしてマッピングされたExchange 2000 Serverのストアである。

Fig.2-10 Exchange仮想ディレクトリの設定(図版をクリックすると拡大可能)
fig_10

 このように,HTTP経由でWeb Storage Systemを利用するときには,IISの仮想ディレクトリを通じてアクセスすることになる。したがって,ユーザーがWebブラウザから“http://サーバー名/Exchange/”と入力してアクセスした場合には,M:\ドメイン名\MBXフォルダの中身――つまりメールボックスの中身――を参照できることになる。

 もちろん,“http://サーバー名/Exchange/osawa/inbox/テストメール.eml”とすれば,この要求によってM:\ドメイン名\MBX\osawa/inbox/テストメール.emlというアイテムが直接参照されることになる。パブリックフォルダである“http://サーバー名/public/”も同様で,“http://サーバー名/public/経理/旅費01.xls”のURLは,M:\ドメイン名\PUBLIC FOLDERS\経理\旅費01.xlsというファイルを参照する結果となる。このように,Web Storage Systemにおいては,ファイル名に対して唯一のURLが与えられているので,URLによってどのアイテムを参照するのかを決定することになる。


One Point! URLに日本語が含まれる場合,文字コードはUTF-8で記述する。

 なお,SSLなどのセキュリティ設定については,IISの仮想ディレクトリのプロパティで設定する。仮想ディレクトリのプロパティの[ディレクトリセキュリティ]ページを開き,SSLの設定,アクセスできるクライアントのIPアドレスなど,セキュリティ情報を設定する(Fig.2-11)。

 もちろん,IISの仮想ディレクトリにおけるセキュリティ設定以外に,Exchange 2000 Serverによるセキュリティ設定が機能する。そのため,たとえIISの仮想ディレクトリで匿名アクセス可能に設定されていたとしても,Exchange 2000 Serverのアクセス権の設定で匿名ユーザー(デフォルトではIIS_サーバー名という名前のユーザー)に対するアクセス許可が設定されていなければ,自分のメールボックス(MBXの下のユーザー名のフォルダ)に格納されたメールアイテムを他人に読まれてしまうことはない。

Fig.2-11 仮想ディレクトリのプロパティの[ディレクトリセキュリティ]ページ
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