Exchange 2000徹底解剖
開発環境としてのExchange 2000 Server

OWA

 では,“http://サーバー名/Exchange/”というURLを参照したとき,M:\ドメイン名\MBXフォルダの中身がそのまま参照されるのかというと,そういうわけではない。実際にアクセスしてみるとわかるが,Outlookのような外観のWebページが表示される(Fig.2-12)。このアクセス環境を「Outlook Web Access(OWA)」と呼ぶ。


One Point! Outlook Web Accessは,Webブラウザに設定された言語情報を参照し,適切な言語で表示する。Fig.2-12は言語情報を日本語に設定したWebブラウザで表示したところだが,仮に英語に設定すれば,メニュー項目やボタンの名前などは英語で表示されることになる。

Fig.2-12 Outlook Web Access(図版をクリックすると拡大可能)
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 Exchange 2000 Serverをインストールすると,Exchange 2000 ServerのISAPIフィルタがIISにインストールされる。ISAPIフィルタとは,IISに対してデータの送受信があったときや認証の必要性があったときに発生するイベントを処理し,流れるデータの内容を変更したり,独自の認証方式をサポートしたりする拡張モジュール(DLLファイル)である。

 ユーザーが“http://サーバー名/Exchange/”というURLを入力したときには,IISにインストールされたExchange 2000のISAPIフィルタが機能する。これにより,(1)ユーザーアカウントを調べ,どのユーザーの画面を表示すべきかを決定する,(2)利用しているWebブラウザを判定し,そのブラウザで表示できる形式に変換したHTMLファイルを送信する。その結果,Fig.2-12に示すOWAの画面が表示されるのである(Fig.2-13)。

Fig.2-13 OWAの仕組み
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 OWAを提供するISAPIフィルタは,C:\Program Files\Exchsrvr\bin\davex.dllファイルである。このDLLファイルが機能することによって,OWAが有効になるようになっている。実際,IISに登録されているExchangeの仮想ディレクトリの設定を参照すると,ISAPIフィルタとしてdavex.dllファイルが登録されていることを確認できる(Fig.2-14)。仮にdavex.dllファイルの設定を解除すると,Fig.2-15のようにディレクトリがそのまま表示されるようになる。

注意davex.dllファイルを解除すると思わぬ結果を招くため,一般には解除してはならない。Fig.2-15は,あくまでも実験目的の操作である。

Fig.2-14 ISAPIフィルタの設定(図版をクリックすると拡大可能)
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Fig.2-15 davex.dllファイルを削除した結果(図版をクリックすると拡大可能)
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