実現に近づくホームネットワーク
家電どうしがつながる共通の手順が普及のカギ?
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デジタル化された家電がネットワークで結ばれ、互いの価値を高め合う。そんなコンセプトは何年も前から喧伝されてきたが、今年から来年にかけて、インターネットとも密接につながったホームネットワークが、ようやく現実のものになろうとしている。
これまで家電(とくにAV機器)の世界では、テープやディスクといった何らかのメディアを介することで、異なる家電どうしが結び付いていた。メモリースティックやSDカードもその延長の発想だ。しかし家電がつながるために接着剤となる「媒体」を必要とするのは、家電自身が互いにつながる方法を知らないからだ。もし、同じ手順、同じ言葉で機器どうしが通じ合えるなら、家電はより使いやすく高機能なものになるだろう。たとえば録画/録音したコンテンツは、記録媒体を通じなくとも、ホームネットワークのどこかにあれば再生できるようになる。コンテンツのある機器と再生する機器が別の場所にあってもかまわない。
もちろん、ネットワークでつながるためには、機器どうしが互いに話をする手順が決まっていなければならない。一部、同じメーカー内の機器どうしなどではそうした機能が実現している。たとえば、ソニーのVAIOシリーズは、VAIO上のテレビチューナーやハードディスクなどをネットワーク経由でほかのAV機器から利用可能にするソフトウェア「VAIO Media」を搭載する。
業界では現在、ネットワークにつなぐだけで特別な設定の必要なく機器どうしが通信可能になる「Universal Plug & Play」(UPnP)という規格をサポートする動きが活発だ。これが本格的に製品に採用されてくれば、メーカーを問わず各社製品が境目なくつながり、連携するようになるだろう。
10月初めに開催されたCEATEC JAPAN 2002でも、各社がホームネットワーク向けのさまざまな形を参考出展した。いまのところは、1台でさまざまなコンテンツをため込んでおけるハードディスクを備え、ブロードバンドルーター、無線LANアクセスポイント、テレビチューナーなどの機能も束ねたホームサーバーが目立っている。だが、UPnPを多くの機器がサポートすれば、コンテンツを置くハードディスクは各機器上に分散したままでもよい。また、UPnPはTCP/IPに準拠しているため、インターネット(=家庭外)と接続することもたやすい。外出先の携帯電話から自宅のビデオデッキを操作するといった用途だけでなく、自宅にある動画や音楽をインターネット経由で外出先から楽しむことも簡単にできる。
本格的な商品化に向けて機能が収れんされていくまでにはまだ時間がかかるかもしれないが、ホームネットワークが絵に描いた餅ではなくなっていることは間違いない。
少しずつ見えてきたホームネットワークのカタチ
CEATEC JAPAN 2002などで出展されていたものを中心に、各社のホームネットワークへの取り組みを紹介する。
「VAIO Media」によって、VAIOのHDDに録りためたテレビ番組を、離れた場所にあるテレビ(WEGA)で観賞。VAIOがホームサーバーになる。WEGA側には「ルームリンク」というレシーバーを接続。両者は5GHz帯無線LANでつながる
ホームネットワークのインフラとして、大容量のデータを高速転送できる5GHz帯無線LANを使ったAV伝送システムは各社が展示。写真はシャープがCEATECで参考出展した「5.2GHz帯無線AV伝送システム」
松下電器産業がCEATECで参考出展した「AVCサーバー」。動画、静止画、音楽などのデータを大量に蓄積できるストレージ機能、SDカードスロット、DVD-RAM機能を備える。ネットワークを介して複数機器に同時出力が可能
家電にも無線LAN機能が内蔵されていき、パソコンを介さずにホームネットワークへつながるようになるだろう。三洋電機はCEATECで無線LAN機能を内蔵したデジカメ、有機EL5.5型テレビ(左)を出展。また、最新のサイバーショット(右)はBluetoothのアンテナを内蔵している
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