ネットでおいしい品を“お取り寄せ”
ハマる人続々。お店と買い手が直接つながる醍醐味
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家にいながらにして、全国の名産品や旬の食材を味わえる「お取り寄せ」。この秋から冬にかけて、お取り寄せをテーマにした本が相次いで出版され、いままでにない盛り上がりを見せている。
11月20日には、全国各地の選りすぐりの逸品を紹介する「おとりよせ.net」がオープン。サイト発起人の1人である粟飯原理咲さんは、ショッピングサイトがかなりの数に上るいまこそ“目利き”が必要だと、サイト開設の経緯を語る。
「単にネットで買うことがブームになっていた時代は終わり、いいショップをふるいにかける段階にきている。いまはショップが多すぎて、本当にいい店舗がどこかわからない。実際に利用した人の声からお勧め商品を集めたら、ユーザーにとって価値のある情報になるはずと思った」
最近のお取り寄せ人気の背景には、消費者の価値観の変化もあるようだ。
「とにかくいっぱいというのではなく、1つでもいいから自分のお気に入りがあればいい。予算も限られている中で自分らしい暮らしがしたいと思っている人に、お取り寄せはぴったり」と話すのは、1か月に数万円はお取り寄せに費やすという主婦・花房美香さん。食に対するコダワリも強い。
「サイトを見れば、どういう作り方をしているのかなど、商品の後ろにあるストーリーもわかる。由来がわかるから安心して食べられる」
一方、ネットを通じてのお取り寄せは、商品を提供する側にとっても、好ましい面が多いようだ。秋田県大館市にある、きりたんぽ専門店「むらさき」では、自家製きりたんぽと比内地鶏を使った鍋セットのネット販売を、99年秋から行っている。店主の見上氏は、「毎年ネットを通じての注文は倍々に増えており、この不景気の中で売上を伸ばしているのは、ネット販売をしているおかげ」と、その利点を語る。
北海道の知床から旬の海産物を届ける「知床三佐ヱ門本舗」店主の町田氏は、ネットだから販売できる商品もあると話す。
「知床の生うには、2〜5月にかけてのみ解禁される。しかも流氷が張り詰めると10日間も漁ができないという商材。とてもカタログ通販ができるものではない。細かなアナウンスメントが可能なネットならでは」
まだお取り寄せ経験がない人は、この機会にぜひチャレンジ。あなたの食の世界はきっと広がるはずだ。
■おとりよせ.net
www.otoriyose.net
8月からアンケートを実施し、実際に購入した人の意見を募集。その情報をもとにスタッフがサイトの審査を行い、基準をクリアした店舗だけを紹介している。掲載されている品は、達人や推薦者が必ず一度は食べているという。商品情報は随時追加していく予定だが、「数よりも質を優先する」(粟飯原さん)
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