テレビなどから録画したアニメをエンコードする場合、最低限やっておかなければならない作業がいくつかある。それらをクリアしていないと、ファイル共有ソフト界隈では「地雷」と呼ばれ嫌われるような動画になってしまうので、基本をしっかり押さえておこう。
まずは動画のクリッピング。ビデオキャプチャカードを用いて録画した動画は、映像の周囲にテレビには移らない黒枠の部分まで含む。この黒枠をカットしないままエンコードすると、映像の縦横比がおかしくなってしまいがちだし見栄えもよくない。
次に動画の縦横比の修正。日本のテレビ放送は本来映像の縦横比が4:3になっているのだが、MPEG2のキャプチャカードはフォーマットをDVDに合わせているため16:9の比率で映像を取り込む。これをそのままにしておくと、映像が縦につぶれた状態なので状態としてはよろしくない。
映像のフレームレートの修正もエンコード時に行っておくべき作業だ。アニメは通常1秒間に24コマ、つまり24fpsとなっているのだが、キャプチャは29.97fpsで行うことが多い。このままだと1秒につき6コマほどフレーム数が足りないので、録画時にそれを補っているわけだが、これをそのまま放置していると2コマ同じ映像が続くシーンが出るので、動きがスムーズでなくなる。それを補正して24fpsに戻すのが24fps化という作業だ。
最近では1つの番組内で24fpsと30fpsの混在するアニメも増えてきているが、このようなソースで再生品質にこだわる場合は、8ページの囲み記事で紹介している120fps化といった作業を行うことになる。また動画の横じまをなくすインタレース解除も必須の作業だ。このほか色調整、ノイズ除去など、凝り始めるとやることはいくらでも出てくる。
今回はフリーの動画編集ソフト「AviUtl」を使ってエンコード作業を行う。映像補正をするためのフィルタをデフォルトで多数備えており、比較的簡単に作業を行えるのが特徴だ。ここではネトランオススメのフィルタ設定を紹介しよう。
1. 今回使用するソースはMPEG2でキャプチャしたものなので、AviUtlのアーカイブを解凍したらMPEG2読み込み用のプラグインを導入する。www. marumo. ne.jp/ mpeg2より「MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In」をダウンロードしてm2v.vfpをAviUtlと同じフォルダにコピーする