高品質なコンパクトボディにカラー液晶を搭載した「YP-T7」

日本サムスンの「YP-T7」は、超小型のボディにフルカラー液晶を搭載したフラッシュメモリMP3プレーヤーだ。質感の高さと美しい液晶で、一目見た瞬間から“手にしてみたい”と思わせる魅力にあふれている。

» 2005年07月14日 00時00分 公開
[ITmedia]
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 毎日身につけるという性質上、ポータブルプレーヤーとは機能と同様にモノとしての質感が要求される。いくら機能が優れていても、「身につけたい」と思わせるものでなければ、そのうちに使われなくなってしまうだろう。

 日本サムスンの「TP-T7」は、誰もが感じられる“モノ”としての高い質感と、バランスの取れた性能を兼ね備えたポータブルプレーヤーだ。レビューを通じてYP-T7の魅力を探ってみたい。

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質感の高いコンパクトボディにカラー液晶を搭載

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手のひらにもすっぽり収まってしまう

 まずは外観からチェックしてみる。本体サイズは37(幅)×62(縦)×13(奥行き ミリ)とマッチ箱程度の大きさ。重さも35.5グラムで、手にしてもまったく重量感を感じさせない。前面には96×96ピクセルのカラー液晶と各種操作を行うジョイスティック、右側面には再生/停止ボタンや録音ボタン、左側面にはヘッドフォン端子を備える。

 表面にはアルミニウム加工が施されており、非常に高い質感を演出している。小型軽量の製品にありがちなチープさはまったく感じられない。コンパクトなだけではなく操作性にも十分な配慮が施されており、右手に持つと、親指を滑らせるだけでジョイスティックと再生/停止ボタンを操作できる。側面にはヘリが設けられており、手のひらで滑ってしまうということもない。まさに“しっくりくる”ホールド感だ。

 電源には内蔵のリチウムポリマー充電池を使用し、約2.5時間の充電で約10時間の連続再生が行える。これまで紹介したYP-C1(レビュー)やYP-T6(レビュー)に比べれば短いが(YP-C1は約42時間、YP-T6は約20時間の連続再生が可能)、日常的に使う範囲では十分だ。本体の小型さと、どうしても消費電力の多くなってしまうカラー液晶を備えていることを考えれば、驚異的な長時間駆動ともいえる。

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本体表面はアルミニウム加工が施されており、質感は非常に高い
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1Gバイトのメモリを搭載した「YP-T7Z」はシルバー、512Mバイトのメモリを搭載した「YP-T7X」はブラックのカラーリング

 カラー液晶にはメニュー項目や曲名、アーティスト名はもちろん、JPEG画像の表示も可能だ。液晶のクオリティは高く、輝度やコントラストも十分。プレーヤーの状態を把握するという目的だけならモノクロ液晶でも問題はないのだが、身につけるモノとして魅力を考えると、カラー液晶搭載の恩恵は大きいといえる。

 製品ラインナップは2種類。1Gバイトのメモリを搭載した「YP-T7Z」と512Mバイトのメモリを搭載した「YP-T7X」が用意されており、YP-T7Zはシルバー、YP-T7Xにはブラックのカラーリングが施されている。YP-T7Xはサムスンダイレクトのみで販売される限定モデルだ。それぞれ約256曲/128曲(MP3/128kbps、1曲約4MBの場合)という大量の楽曲が収録できるほか、USBフラッシュメモリとしても利用できるのでより大容量なYP-T7Zをお勧めしたい。

操作はジョイスティックでラクラク――意外に便利な時計機能

 再生可能なファイル形式はMP3/WMA/WAV/ASF/OGG。PCに接続すると本製品は「リムーバブルディスク」として認識されるので、対応するファイルをそのままドラッグ&ドロップすればよい。

 転送が完了すればすぐさま音楽を楽しめる。再生/停止ボタンの長押しで電源を入れ、ジョイスティックを押し込めばメインメニューが現れるので、そこで「ナビゲーション」を使って再生したいファイル(フォルダ)を選択したのちに右側面の再生ボタンを押せばよい。

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再生中の画面。曲名や経過時間などが確認できる
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メインメニューはカラフルなアイコンで表示される

 再生中はジョイスティック右で早送り/左で早戻しとなり、上下に動かせば音量調節が行える。ジョイスティックを押せばナビゲーション画面を呼び出せる。ナビゲーション画面では、ジョイスティックの左で上位階層/右で下位階層/上下で同一階層内の移動となっている。入力に対する反応も機敏なので、親指一本で快適な操作が可能だ。側面にはホールドスイッチも設けられているので、カバンの中でうっかりスイッチが入ってしまった――なんてこともない。

 FMラジオやフォトビューワも備える多機能機種だが、長押しすればメインメニューを呼び出せるので、操作に迷うことはほとんどない。液晶には日本語のほか英語、中国語、韓国語、フランス語、ロシア語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語の表示も行える。また、一定時間以上操作が行われなかった場合、液晶を時計表示に切り替えることもできる。ちょっとした機能かもしれないが、意外なほど便利だ。

 付属ソフトの「Samsung Music Studio」は、CDからのMP3/WMAファイル作成やプレイリストの作成などが行える。リッピング時にはCDDBサーバへ接続して曲名やアーティスト名などを自動取得する機能も備えているので、ライブラリ構築も簡単だ。

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時計機能は意外に重宝する
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本体サイズにあわせてジョイスティックは小ぶりだが、しっかりとした操作感で親指一本でも快適に操作できる

カラー液晶をフル活用できるフォトビューワ、FMラジオは予約録音が便利

 フォトビューワは、カラー液晶を搭載した本製品ならではの機能だ。付属ソフトの「Samsung Multimedia Studio」を利用すれば、本製品への画像転送をはじめ、スライドショー作成、フォーマット変換などのほか、ビデオファイルの画面キャプチャーなども行える。

 Samsung Multimedia Studioを利用してPCから画像を転送する際には、本体の液晶サイズ(96×96)にあうよう自動的にリサイズされるので、元画像の大きさを気にせず気楽に転送できる。ドラッグ&ドロップで転送することも可能だが、解像度やファイルサイズが大きいとうまく表示できない場合もあるので、Samsung Multimedia Studioを使って転送する方がいいだろう。

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Samsung Multimedia Studio
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転送時には左右比や画質の調整も行える

 PCとの接続インタフェースは高速なUSB 2.0なので、大量の画像ファイルを転送する際にもストレスは感じない。転送した画像ファイルを見るには、メニュー画面から「イメージ」を選択するだけ。テキストビューワ機能も備えており、拡張子「.txt」のファイルを表示させることができる。

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液晶のアスペクト比は1対1(96×96ピクセル)なので、転送したファイルは長辺にあわせてリサイズされる
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テキストファイルの表示も可能

 そのほか、録音可能なFMチューナーやCDなどから直接録音できるダイレクトエンコーディング、内蔵マイクを使ってのボイスレコーディングなどを備える多機能ぶりも本製品の特徴だ。

 FMラジオはワールドワイド対応で、メニューから「FMラジオ」を呼び出し、ジョイスティックを左右でチューニングするだけで放送が楽しめる。ジョイスティックを1秒以上倒せば自動的に受信できる放送局を探しだし、周波数をあわせた状態でジョイスティックを押せばその周波数を保存できる。

 放送の受信中に「REC」ボタンを押せば録音が行えるほか、日時を指定しての予約録音も行える。予約録音は「毎週○時○分から○分まで、××MHzの放送を録音する」といった設定も行えるので、ついつい聞き逃しがちな番組をチェックしておくのに便利な機能だ。録音されたファイルは、本体メモリ内の「FM_ENC」フォルダに128kbps(変更可能)のMP3形式で保存される。

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FMラジオ画面
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予約録音も可能

 ダイレクトエンコーディングを使用するには、本体下部の外部入力端子にCDプレーヤーなどからのケーブルを接続して「REC」ボタンを長押しする。ボイスレコーディングも「REC」ボタンを押すだけで録音が開始される。

 いずれも生成されるファイルはMP3で、ビットレートは32kbps〜128kbpsの6段階に切り替えが可能。ダイレクトエンコーディングについては、無音部分を検出して自動的にファイルを分割する機能も備えている。1Gバイトのメモリを搭載したYP-T7Zならば最大で72時間分のボイスレコーディングが可能となっているので、ちょっとしたアイディアが浮かんだときや議事録の作成など、さまざまな局面で活躍できそうだ。

SRS WOWも搭載、機能と質感を兼ね備えた製品

 音質についても充実した機能を備えている。ジャズやロック、クラシックといったイコライザのほか、特殊音響効果の「SRS WOW」も備えており、詳細に音質のカスタマイズを行うことができる。MP3のID3タグに応じて、各種エフェクトを自動的にかけてくれる「自動EQ」というユニークな機能も備えている。再生速度の調整も行えるので、語学学習用としても力を発揮するはずだ。

 本製品は「音楽再生」「FMラジオ」「ボイスレコーディング」「ダイレクトエンコーディング」「フォトビューワ」など充実した機能を備えながらも、気軽にポケットに入れておけるコンパクトさを実現している。また、カラー液晶のほか、金属的な質感を持った本体のクオリティも高く、身につけるモノとしての魅力にもあふれている。充実した機能と高い質感の双方を併せ持った、魅力的な製品といえるだろう。

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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日