ワイド24型の大画面PCモニタ「SyncMaster 242MP-R」は、1920×1200という高解像度により、快適なPC作業環境を提供してくれる。さらにD4入力対応テレビ機能を搭載し、ステレオスピーカーも装備するなど、マルチメディア性能も満載だ。
数年前までは、いわゆるテレビが扱う信号とPCから出力される信号はまったく別物とされ、双方を扱える製品はごく少数しか存在しなかった。それゆえ、「家庭用テレビにPCを接続できますか?」という(考えてみれば至極当然な)問いかけなどは、初心者の代表的な質問として挙げられていたものだ。
しかし、いまでは違う。アップスキャン/ダウンスキャンなどのコンバート品質もかなり高くなり、また、デジタル放送テレビの普及もあって、PC画面もテレビも映し出せる製品はかなり多い。ただ、少し注意深く見ていくと、これらの製品は「テレビ映像も映し出せるPCモニタ」と「PC入力も備えたテレビ」に分かれることには誰しもお気づきだろう。
サムスンでは、モニタのみならず、テレビ製品も多数販売しており、それらは「PC入力も備えた」ものがほとんどだ。一方、今回紹介する24型液晶モニタ「SyncMaster 242MP-R」は、少々ややこしいが、「テレビ映像も映し出せるPCモニタ」となる。しかも、WUXGA解像度、つまり1920×1200という高精細な液晶パネルを採用した製品だ。
1920×1200という表示は、単にメールやWebブラウズを行うだけでは少々もてあますほどの広大なスペースだが、多くの機能パネルを同時に表示したいようなアプリケーションや、グラフィック作成、DTP制作、あるいはハイビジョン映像編集には最適だ。また、24型という大きさゆえ、解像度が高くて文字が小さくなりすぎるということもない。
パネルはPVA液晶を採用しており、コントラスト比1000:1の引き締まった表示を提供する。この点でも、各種作業を快適にしてくれるモニタといえるだろう。また、テレビとしての側面においては、応答速度16ミリ秒、輝度500カンデラ/平方メートルという性能が映像の観やすさに貢献してくれる。もちろん、視野角は178度(水平・垂直)と十分に広いため、家族でDVDを楽しむといった用途にも対応可能だ。
テレビ製品ではアナログRGB端子のみを装備している場合も多いが、「SyncMaster 242MP-R」は基本的にPC向けであり、DVI-D端子によるデジタル接続にも対応している。高解像度表示が可能な製品だからこそ、安定した信号供給を行い、ニジミやブレなどのない安定した表示品質を確保したい。それゆえ、PCとの接続においては、極力、DVI-D経由で接続すべきだ。
もちろん、PC側には1920×1200の表示モードをカバーするグラフィックスカードを用意したほうがいいことはいわずもがなだろう。もっとも800×600/1024×768といったモードでも受け付け、うまくスケーリング処理してはくれるものの、ドット・バイ・ドット(1対1)の1920×1200の美しさはなにものにも代えがたい。
テレビ機能としては、地上波放送チューナー内蔵に加え、Sとコンポジットの映像入力、さらに、デジタル放送チューナーやDVDレコーダー/プレーヤーとの接続に利用できるコンポーネント映像入力端子(1080i/720p対応)も装備済み。入力端子はすべて背面下部に用意されており、場合によってはかなりの接続数となるが、コネクタ類は背面の大部分を覆ってしまうカバーで隠せるので、見た目もすっきりする。
地上波放送チューナーは内蔵しているものの、せっかく大画面と高精細を兼ね備える「SyncMaster 242MP-R」の実力を生かしたいところ。では、1080iのハイビジョン映像ならばどうか? ということで、早々と手持ちのデジタル放送チューナーをコンポーネント映像入力へつないでみた。
1920×1200というフルHD相当の液晶パネルを採用しているとはいえ、1080iではスケーリング処理が入るため、PCとのデジタル接続時のドット・バイ・ドット表示のような高画質とまではいかないが、全体で観ると十分な映像品質といえるだろう。さすがにテレビ専用機と比べると厳しいものもあるが、一方でこの製品ならではの優位点もある。それはPIP(ピクチャ・イン・ピクチャ)機能だ。
PCの画面を表示している際に、リモコンのPIPボタンを押すと、画面右下に子画面としてコンポーネント映像が呼び出せる。つまり、PCで作業をしつつ、デジタル放送(外部チューナーが必要)を“ながら”観賞できるわけだ。この際の映像は非常にクリアな印象である。
もちろん、縮小しているからこそ精細に見えるのは、ほかの製品のPIP機能でも同様といえるかもしれない。しかし、「SyncMaster 242MP-R」では前述のとおり、1920×1200のパネル解像度を誇り、PIP自体も19.5×12センチという大きめのサイズを確保している。これをピクセル換算すると、だいたい720×450となる。子画面としては必要十分以上の画素数なわけであり、単に雰囲気で美しく感じるわけではなく、字幕やテロップなども余裕で読めるレベルだ。音に関しては、主画面と子画面のものを同時に出力されたりすると、当然ながらわけがわからないだけなので、音声設定でどちらを流すかを選択しておくようになっている。
このPIP機能では、コンポーネント入力だけでなく、内蔵チューナーやS/コンポジット入力も表示可能で、さらに、リモコン上のPIP用SIZEボタンを押せば、約11×8センチの子画面や、横に2画面が並ぶモードにも切り替えられる。しかし、おすすめはやはり、前述の「19.5×12センチで楽しむ“縮小”ハイビジョン」だ。リモコンのPOSITIONボタンを押せば、表示位置は右下だけでなく、左上/右上/左下にも変更できる。
テレビ対応ゆえに、ステレオスピーカー(5ワット×2)も搭載。内蔵ではなく、本体とは別のパーツとして2本のスピーカーが同梱されている。スピーカーユニットはスマートな形状で、本体の左右に取り付けられるほか、専用スタンドも付属するため、少し間隔を置いての設置も可能だ。もちろん、すでにサラウンド環境を構築していて、スピーカーなしでの利用を望むなら、そうしてもかまわない。ユーザーの環境に応じて、多彩なスタイルを選択可能で、設置自由度は非常に高いといえる。
今回は付属のスピーカーブラケットを使い、本体の左右側面に取り付けて試用した。装着は実に簡単なのだが、しっかりと固定されるという、なかなか巧妙なパーツ構造だ。組み立て作業は、まず側面からネジ2本を使って、ブラケットを本体に取り付ける。さらに、そのブラケットをスピーカーへ差し込むようにして合体させ、前面からネジ2本で固定。あとはスピーカーカバーを装着し、付属のスピーカーケーブルで接続するだけでいい。左右両方で同様の作業を行えば完了。
本体内へ無理に収めず、スピーカーの大きさに余裕が持たせられたせいか、音質は上々だ。画面自体が幅50センチ以上あり、その両端にスピーカーが分かれるため、左右の音の分離も十分と感じた。これなら、スタンドを利用して距離を離す必要は、特にないだろう。テレビなどを観る場合はもちろん、PC用音声入力端子も用意されているので、積極的に活用したい。
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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日