サムスンの新液晶モニタ新「971P-R」は、トリプルヒンジによる多彩な調整機構や自社製PVA液晶パネルによる表示品質といったプレミアムモデル「SyncMaster 970P-R」の特徴を受け継ぎつつ、アシンメトリーという新境地を切り開いている。
PCや電化製品の箱を開けると、以前は必ずといっていいほど、発泡スチロールが梱包に使われていたものだ。しかし、最近ではダンボール素材の組み立て式緩衝材が利用されているケースも多い。おそらくコスト面で有利ということなのだろうが、それはともかく、時折きわめて緻密な構造を目の当たりにすることがあり、なんだか妙に感心してしまったりする。緩衝材を展開していくと、さっきまでは複雑な形状だったはずなのに、実は無数の切れ目が入った1枚のダンボールでできていたり……と。
サムスンの「SyncMaster 971P-R」は、それに通じるような巧妙な構造を持たされた液晶ディスプレイである。型番が示すとおり、この製品は「SyncMaster 970P-R」の流れを汲んでおり、モニタとしての性能のほか、前モデルの特徴だったトリプルヒンジ構造も継承したのだが、同時に、この部分が新旧の最大の違いでもあるのだ。
970P-Rの場合は、大きな1枚の板(ベース)と小さな2枚の板(アーム)が、3つのヒンジで接続され、スタンド部を構成するという、きわめて“真っ正直な”スタイルだった。一方、971P-Rはこれとはまったく異なり、2枚のアームと“コの字形のベース”によるトリプルヒンジ構造だ。つまり、アームを完全に畳むと、コの字の空いている部分に収まり、スタンド全体が“1枚の板”に近い状態となる。
この巧妙な構造により、スタンドは見た目にスマートでありながら、底部の外周サイズは幅245×奥行き230ミリと970P-Rとほぼ変わらず、その結果、安定性はほとんど損なわれていない。しかも、970P-Rでは完全に折り畳んだ状態でも高さは120ミリあったが、971P-Rの場合は70ミリ程度に収まってしまう。スタンド込みの本体質量に関しても、約6キロとなり、970P-Rから1キロ以上軽くなった。
ベース部の回転機構がなくなったり、スイーベルがきかなくなったのは少々残念だが、高さ調整(可動範囲は6センチ)、チルト(前2度、後65度)はもちろん利用可能。さらに、PCへMagicRotationソフトウェア(Windowsのみ)をインストールすれば、本体側の内蔵センサーからの信号により、自動的に画面回転を実行してくれるオートピボット機能などはしっかりと継承されている。
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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日