見た目の印象もがらりと変わった。以前は完全なシンメトリー(対称形)を成していたわけだが、971P-Rでは上記のとおり、基本構造からしてアシンメトリー(asymmetry=非対称)である。どちらを美しいと思うかは好みにもよるだろうが、ありふれた印象がなく、またトリプルヒンジというデザインの足かせになりがちな要素を、うまく本体構造へ吸収させた971P-Rを支持する声は多いに違いない。
この971P-Rの個性的なデザインを手がけたのは、プロダクトデザインで定評のある米国「IDEO」。そう、AppleのiMacやMicrosoftの世界初エルゴノミックマウスなど、デザイン性に優れた数々の製品を生み出したあのIDEOによるものなのだ。
また、スタンドの先端部には、電源をオン/オフするためのタッチセンサーを配置。インジケーターも兼ね、正常に動作している場合には青く点灯するため、デザイン上のアクセントにもなっている。これ以外に本体上に用意されたボタン類はほとんどなく、ちょうど反対側(ベース部の左側面)にカスタマイズキーが配置されている程度だ。ほかのサムスン製品と同様に、画面調整にはMagicTuneソフトウェア(Windows用のほか、Macintosh用も提供されている)を利用することになる。
カスタマイズキーには自分がよく使う機能を割り当てられるのだが、これもMagicTuneから設定を行う。プリセットの映像調整を呼び出す「MagicBright」、彩度向上を行う「MagicColor」、アナログRGB入力時の自動調整、アナログ/デジタル信号切替、色温度変更のいずれかの機能を選択可能だ。
DVI-Iや電源ケーブルをつなげるためのシグナルボックスはなくなり、双方とも本体に直結可能だ。DVI-Iの入力コネクタはちょっと変わった場所に配置されている。スタンドの底面に溝が設けられ、そこへ接続・収納する仕組みだ。ケーブルのフェアライトコアがコネクタに近い場合にも付属ケーブルではその点がきちんと配慮されており、まったく問題はない。
また、971P-Rでは新たにUSBハブ機能も内蔵された。スタンドベース部の背面にアップストリーム1基、左側面にダウンストリーム2基のUSBポートを装備済みだ。
前述のとおり、モニタ性能も970P-Rの延長線上にあるといっていいだろう。今回も自社開発の19型PVAパネルを採用し、視野角は水平/垂直ともに178度、応答速度は6ms(中間階調)を実現している。さらに、コントラスト比は1500:1へと向上している。実際の印象でも前モデル同様に、斜めの角度から眺めても色変位が少なく抑えられており、また、動きによるブレや色ムラもほとんど見受けられない。階調表現もしっかりと描写される。
この「SyncMaster 971P-R」では、個性的なデザイン・機構が真っ先に目を引いてしまうため、いわゆる“変り種”製品だと思われてしまう可能性もありうるのだが、上記のとおり、プレミアム液晶モニタの系譜を受け継ぐ位置付けだけに、実はレベルの高い表示性能をも内包している。デザインだけでなく、高い基本性能を求めるユーザーには、特におすすめできる製品といえるだろう。
なお12月には、971P-Rの製品ラインアップにグロッシーブラックモデルも追加された。例えばMac miniと組み合わせるならグロッシーホワイトモデル、シックな書斎に置くならグロッシーブラックモデルなどと、インテリアの一部として選び分けたい。
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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日