20.1型UXGAで作業も快適、ビデオ入力の使い道はあなた次第――「SyncMaster 204Ts-R」

サムスンの「SyncMaster 204Ts-R」は、1600×1200表示が可能な20.1型非反射コーティング液晶パネルを採用し、オートピボット機能も備えた、DTPなどのクリエイティブ作業に最適な製品だ。さらに、S/コンポジット映像入力端子も搭載し、さまざまな用途に対応する。

» 2006年01月10日 00時00分 公開
[ITmedia]
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 サムスン「SyncMaster 204Ts-R」は、20.1型という広大な画面に、1600×1200ピクセルの高精細表示が可能なディスプレイだ。このクラスの製品の場合、用途としてはクリエイティブ分野でのプロユースが主となるため、性能面でも輝度250カンデラ/平方メートル、コントラスト比700:1と高品質を実現。さらに、画面には非反射コーティングパネルを採用しており、映り込みがほとんどなく、快適に作業をこなせる。

photo 20.1型UXGA非反射コーティング液晶パネルを採用した「SyncMaster 204Ts-R」。幅17.5ミリの超狭ベゼルは、デザイン面で貢献するとともに、マルチディスプレイで使用する際にもメリットととなる

 一方、本体デザインでは、シンプルかつ頑丈なエルゴノミクススタンドが、まず目をひく。後方へのチルト(25度)、左右各45度のスィーベルはもちろん、昇降機構も備えており、10センチの範囲で高さ調整が可能だ。

 さらに、最近のサムスン製品ではおなじみともいえる、ピボット機能による縦長画面への切替にも対応。VESA規格のDDC/CI(Display Data Channel Command Interface)を利用した「MagicRotationソフトウェア」をPCにインストールしておけば、オートピボット機能が働く。つまり、ディスプレイ部分を回転させるだけで、本体内のセンサーがその動作を検出し、PC側へ制御信号を送り、自動的に表示を回転してくれるわけだ。

photo DDC/CI対応によるオートピボット機能も装備ずみ。表示性能は、輝度250カンデラ/平方メートル、コントラスト比700:1、応答速度も16msと高く、さらに、視野角に至っては水平/垂直とも170度とかなりのもの

 ピボットによる縦長画面は、Webブラウズを行う際などにも親和性の高い表示を提供してくれるため、現在では一般のユーザーにもかなり浸透しつつあるが、やはりプロユース、とりわけDTPの現場においては、古くから需要が高い。20.1型の「SyncMaster 204Ts-R」の場合、24.06型の「SyncMaster 242MP-R」のように、実寸でのA4見開き表示を行うことはできないが、ピボット対応は大きな優位性となる。つまり、横長画面の見開き表示でページのバランスを確認し、細部の編集を行う場合には縦長画面に切り替えて、単一ページ表示で作業するといった具合だ。

photo ピボットおよびチルト機構は、スタンドとディスプレイ本体の接合部分に内蔵されている。また、黒いリングの部分にある4本のネジを外せば、スタンドを取り外すこともでき、VESAマウンティングが利用可能だ

 直径10センチ程度の支柱を中心とするスタンド部の形状は、昇降機構を有するとはいえ、特に目新しくはなく、むしろ、伝統的、保守的なデザインといえる。しかし、幅17.5ミリという超狭ベゼルとの組み合わせにより、バランスよくまとめられた。つまり、ともにシルバーカラーを与えられたスタンドとベゼルが、一体化した“フレーム(骨組み)”のような印象となり、ある意味で存在を消している。大げさに言えば、主役である画面のみが引き立てられ、“空中に浮いている”感覚だ。

photo スタンドの高さ調整を行うには、ベース部背面にあるボタンを押して、ロックを解除すればいい。最も低いポジション以外ではロックはされないものの、画面の重みで勝手に高さが変わってしまうということはない

 これにより、一般的な企業からSOHO、あるいは個人の仕事場まで、いかなるオフィス空間にもすんなりと溶け込んでくれる。さらに、スタンドは取り外すこともでき、100×100ミリのVESAマウンティングインタフェースに対応するので、アームや天吊器具、あるいは壁掛金具といったアクセサリも利用可能だ。

photo 操作ボタンは本体前面右下に並ぶ。左から、「MENU」「▼」「▲」(メニュー項目の上下)「ENTER/SOURCE」「AUTO」(自動調整)「PIP」、そして、電源ボタンとなっている

2種類のPC入力+S/コンポジット入力端子で、最大4台の機器を接続可能

 PC入力端子は、DVI-Dによるデジタル接続に加えて、アナログRGB(D-sub15ピン)も装備する。たとえば、WindowsマシンとMac miniを同時に接続して、表示を切り替えての使用も可能だ。当然ながら、2台のWindowsマシン、あるいは2台のMacintoshで利用してもかまわない。さらに、電源も本体に内蔵しているため、ACアダプタの類は必要なく、すっきりとしたケーブル接続ですませられる。

 と、ここまでは、同時リリースの「SyncMaster 204T」と共通の仕様なのだが、「204Ts-R」にはプロユース製品としては少々変わった機能が備わっている。それは、ビデオ映像入力だ。装備されているのは、S端子とコンポジット端子で、アナログRGB/デジタルRGBと同様に排他使用ではなく、両方とも接続しておけば、「SOURCE」ボタンを押して切り替えられる。つまり、うまく利用すれば、この製品では最大4台の機器からの入力に対応可能ということになる。

photo 入力端子類は本体背面へ下向けに配置されているが、例によって、ピボット機構を利用すればアクセスしやすい。DVI、アナログRGB、コンポジット映像、S映像は、いずれも排他使用ではなく、同時に接続可能だ

 またビデオ映像は、全画面のほか、PC画面へのPIP(Picture in Picture)、さらには、PBP(Picture By Picture=いわゆる、2画面)表示も可能。デジタルRGB、またはアナログRGB表示中に、本体の「PIP」ボタンを押すとPIP/PBPを呼び出せる。子画面にするか、2画面にするか、そして、そのサイズや位置などは、設定の「同時画面」メニュー内に用意された「サイズ」「ポジション」項目で、あらかじめ選択しておく。PIPの場合、位置は画面の四隅のいずれか、サイズは大小2種類(実測で、およそ15×12.5センチと12.5×10センチ)から選べる。

 ただ、このあたりの作業は本体のボタンで行うよりも、ずっと楽な方法がある。前述のとおり、ほかの多くのサムスン製ディスプレイと同様に、「SyncMaster 204Ts-R」ではDDC/CIに対応しており、映像ケーブル経由でPCからディスプレイへ制御コマンドを送信可能だ。つまり、付属ソフトウェア「MagicTune」(Windows 98SE/Me/2000/XP対応。Windows2000以降を推奨。Macintosh版もダウンロードで入手可能)をインストールしておけば、同ソフトウェアのコントロールパネルから、明るさやコントラスト、カラーコントロールといった映像のチューニングに加え、同時画面(PIP/PBP)のオンや、PIPのポジション/サイズ設定までも、マウス操作で行える。

photo PIPのオン・オフやポジション/サイズ設定は、本体側のボタンで呼び出してもいいが、MagicTuneソフトウェアを利用して、PC側から制御すれば実に簡単だ。MagicTuneではそのほかに映像やカラーの制御も行える。もちろん、サムスン製ディスプレイではおなじみのMagicBright2(用途に応じたプリセットモードを選択)、MagicColor(肌の色を変化させずに周囲の彩度を上げるインテリジェンスモード)といった機能も装備されている

PIPのみならず、全画面でも十分使用に堪えるビデオ表示品質

 この「SyncMaster 204Ts-R」は、「SyncMaster 242MP-R」のようなエンターテインメント志向の液晶ディスプレイではなく、TVチューナーやコンポーネント端子までは備えていない。製品のスタンスから推察すると、監視カメラやテレビドアホンからの映像などを入力し、子画面で流すといった用途がメインだろうか。

 とはいえ、このディスプレイでテレビを観てはいけない、というわけではない。スピーカーを別途確保する必要は生じるが、家庭での利用なら、PCのほかにDVD/HDDプレーヤーを接続して楽しむ手もある。実際にビデオ映像を表示させてみたところ、PIPはもちろん、全画面表示に引き伸ばしても十分に観賞に堪える品質だ。

 厳密に見れば、PC映像とは異なり、ビデオ映像では(特に暗部の)階調表現に不足を感じる部分はあるものの、動きも含め、全体に違和感は少なく、むしろ、PCディスプレイのビデオ表示としては優秀な部類に入るだろう。また、市販DVDなどのワイド画面をスクイーズした映像を入力する場合は、そのままでは縦長になってしまうが、映像設定の「サイズ」項目でワイドを選択すれば、上下に黒帯をつけてレターボックス表示してくれる。

 純粋なプロユース志向の「SyncMaster 204T」に、ビデオ入力機能を付加した「SyncMaster 204Ts-R」は、ともすると用途を捉えにくい印象を受ける。しかし、それは裏を返せば、各ユーザーが自分の必要に応じて、フレキシブルに使いこなせばいいということだ。8万4800円(サムスンダイレクトでの直販のみ)と価格も手頃である。特に、快適な作業環境を確保したいが、単なる大型高精細ディスプレイではつまらないと感じているクリエイティブ系ユーザーは、この製品を検討する価値があるだろう。

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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日