シアターサウンドに“高さ”の表現力――ピュアオーディオ思想のフラッグシップAVアンプ「DSP-Z11」(2/3 ページ)

» 2007年12月07日 00時00分 公開
[小原 由夫,PR/ITmedia]
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左右対称のレイアウトと新概念の電源回路

 11chものパワーアンプを積んだ筐体(シャーシ)は、重量もかなりなものだ。並みの構造ではたわんでしまって強度が保たないだろう。そこでDSP-Z11は、建築で使われる強靭な立体骨組み構造「ラーメン構造」を参考に、厚さ1.6ミリの鋼板製サブシャーシ・メインフレーム・アウターフレームをスポット溶接でしっかりと結合させた「H型リジッドフレーム」構造を完成させた。

photophoto 左右対称のレイアウト(左)「H型リジッドフレーム」構造を採用(右)

 他方、強固な土台ができたとはいえ、そこに乗っかる重量級パーツのレイアウトは十分考慮をしないと重量バランスが悪くなってしまう。当然ながらそれは再生音にも直結するので、筐体設計担当者の腕の見せ所といえよう。

 DSP-Z11は、シャーシの中央にEI型電源トランスを置き、その両側に左右対称に配置したヒートシンク/パワーアンプ、底板部分に空冷用ツインファンと、左右の対称性に極力努め、セパレーションの均質化と熱配分の均等化を考えた。

 電源トランスにEI型を採用したのは、馬力のあるパワー感を狙ったためで(DSP-Z9ではトロイダル型トランスを採用していた)、さらにはオーディオ系電源回路と映像系電源回路を、このトランス近傍に配置。一方、パワーアンプに次いで消費電力の大きいデジタルセクションをも電源部の至近距離に置くことで、アナログ/デジタル間の相互干渉の排除と音質劣化を招く大電流ループの大幅低減を目指した。

階層構造の内部基板のコンストラクションとコネクター結線

 DSP-Z11のリアパネルを見ると、ビデオ系、アナログ系、デジタル系と、入力端子がグルーピングされて階層的に配列されているのがわかる。こうした端子のレイアウトは、今日多くのAVアンプで見られるものだが、そのこだわり様がヤマハは徹底していた。具体的には、各回路基板をフラットケーブルやワイヤーで結線するのではなく、コネクターを用いて直結しているのである。

photo ケーブルを介さないボード・トゥ・ボード構造など高密度化・高音質化技術を駆使した「3Dサーキットストラクチュア」を採用

 「3Dサーキットストラクチュア」と呼ばれるこの技術が、DSP-Z11のS/Nの高さや微かな音の描写力の明瞭さにつながっているのは間違いない。フラットケーブル等の露出したワイヤリングは、往々にしてノイズの飛込みや不要輻射などに対して急所になりがちだ。この方式は伝送経路の最短化ももたらし、基板の直結は信号の品位を高く保つという点においても大いにメリットがあった。

デジタル伝送の品質を高めるVCXO

 デジタル回路が不可欠なAVアンプは、基準となるそれがしかのクロック回路が搭載されるのだが、DSP-Z11はデジタル信号の品位を重視し、高級ピュアオーディオ機器で使用されるVCXOジッター軽減回路を投入。入力信号に含まれるジッターをほぼ完全に取り除くことにチャレンジした。しかも、この回路は同軸/光といったデジタル入力だけでなく、HDMI入力に対しても有効なため、HDオーディオでもより高品質な再生音が期待できる。

photo ロージッターPLL回路(VCXO制御)によるジッタ波形の改善イメージ

 実際にDSP-Z11は、VCXO回路のオン/オフでその効果を確認できる(付属のワイヤレスリモコンにラーニング済みで出荷される予定)。オフ時に比べると、VCXOオン時は、音場の奥行き感がさらに豊かになり、楽器の響きが一段と生々しくなるのがわかる。これは、ジッターによって阻害されていた位相情報がきちんと再生音に反映されるようになったことの効能だ。

高さの表現力を与える「シネマDSP HD3」

 他社製AVアンプとヤマハ製モデルの最も大きな違いは、さまざまな実測データに基づいて「反射音」という特殊な効果音を新たに創り出し、それを元の音声に加えて再生することで、より立体的かつ空間スケールの豊かなサラウンド再生を行なうというものである。それがシネマDSPだ。

photo 空間再現力を飛躍的に向上させた「シネマDSP HD3」(写真は概念図)

 従来のシネマDSPは、ベーシックなサラウンドチャンネルスピーカーに、反射音を付加するフロントプレゼンススピーカーを追加した9.2ch(最大)構成であったが、今回の DSP-Z11では、さらにリアプレゼンススピーカーを追加した11.2ch構成となった。これが新しい「シネマDSP HD3」の真骨頂である。

 「シネマDSP HD3」が可能となったのは、ヤマハとTI(テキサス・インスツルメンツ)社との共同開発による、新世代シネマDSP・LSI、合計4基による大規模DSPの実現による。

photo TIの新世代LSIが搭載されたDSPボード

 リアプレゼンススピーカーは、リアのサラウンドスピーカーよりも高い位置にセッティングするのがセオリー。フロントプレゼンススピーカーも同様だ。この4台のプレゼンススピーカーによって初期反射音の高さの再現が一段と明瞭になったところが、DSP-Z11の大きなアドバンスである。

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提供:ヤマハエレクトロニクスマーケティング株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年1月6日