シアターサウンドに“高さ”の表現力――ピュアオーディオ思想のフラッグシップAVアンプ「DSP-Z11」(3/3 ページ)

» 2007年12月07日 00時00分 公開
[小原 由夫,PR/ITmedia]
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新しくなったYPAOの効能

 シネマDSPの進化に合わせ、DSP-Z11では、これまでの視聴環境最適化システム「YPAO」がさらに増強されている。

 この新型YPAOは、シネマDSPとの連携を重視している点が特徴だ。スピーカーの角度に応じた仮想音源生成処理の補正、周波数特性の調整に対する補正、再生音量に応じたDSPレベル(強さ)の補正などがそれである。

 さらに新型YPAOは、いくつかの目標データパターンを一度に計算するよう改変され、複数箇所(最大8箇所)での測定の追加、部屋の定在波用のイコライザーの追加なども合わせて実施する。複数箇所の測定は、平均値を算出するためではなく、各箇所の状態を元に重み付けを行なって補正量を算出し、シネマDSPの最適効果が得られる範囲を拡大するように働くのがミソだ。

 これに関連して、各スピーカーの開き角度を測定するためのマイクセッティング用補助プレートが付属する。これもシネマDSP HD3の音場再現をさらに向上させるための有効なアイテムといえよう。

 YPAOに関してもうひとつ見逃せないのが、ワンボタンの操作でYPAOの自動測定が完了する機能だ。複雑化/高度化した今回のYPAOは、GUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)上では面倒に思われかねないので、GUIを使わず(見ず)に即実行できるようにしたというわけだ(目標データは、フラット特性のみ)。

最新HDMI対応がもたらす怒涛のHDオーディオ体験

 HDMIバージョン1.3aに対応した端子は、入力を5系統、モニター出力を2系統装備する。これだけ備わっていれば当面不足はないだろう。

 このHDMI信号経由にて観た最新ソフトでのDSP-Z11での印象を述べておこう。

 これまでのシネマDSPでは、フロントプレゼンススピーカーを使うことでプレゼンス感の豊かな音場が味わえたわけだが、新しいHD3シネマの効果は、高さや距離感の描写が一段と鮮明になっている。

 Blu-ray Disc「硫黄島からの手紙」のチャプター6、砂丘を歩きながら、栗林中将が上官たちに戦略を説く場面では、画面の奥から手前に向かって歩いてくる際の、次第にセリフが近付いてくる感覚がわかる。3Dのオン/オフでその違いは歴然だ。フロントのメインスピーカーにも反射音が足されたことによる恩恵だろう。オフの状態では、“徐々に近付いてくる”感じが希薄。続いての雨のシーンでも、戦闘機の機体に雨が当たる音が3Dオン時の方が機体の大きさを実感することができる。

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 リアプレゼンススピーカーの存在感が如実に実感できたのは、「X-MEN/ファィナル・ディシジョン」のチャプター10、ジーンの生家の崩壊シーンだ。ジーンが発するサイコパワーによって、窓ガラスが割れ、壁が崩れながら家全体が上昇していくのだが、その渦巻く風圧の強烈な勢いもさることながら、その轟音の中に細かな物が粉々に飛び散る粉砕音や、重たい物の質量感などがはっきりと感じられた。風の渦に切れ目がないことはもちろんだが、それが家を持ち上げる上昇気流として体感できるあたりは、リアプレゼンススピーカーの効能に間違いない。

エピローグ

 フラッグシップの超ド級モデルともなると、再生音に威圧感や冷徹さを思い浮べる人も多いかもしれないが、DSP-Z11のサラウンドサウンドは、きわめてナチュラルなトーンを土台としながら、微細なニュアンスのリアリティーや、こけおどしでない壮大なスケール感があり、こちらが構えることなく自然体でいられる点が好ましい。まさに大船に乗った気分で安心してソフト観賞に没頭できるのである。使い勝手も思っていた以上に簡潔明瞭。どうやらシネマDSP HD3は、ストレスフリーかつインティメイトな再生環境を提供してくれるようである。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年1月6日