そしてAQUOSレコーダーを使っていて感心するのは、操作に対する応答がとても速いことだ。良いレコーダーを選ぶには、画質、音質に加えて操作性や操作“感”も重要。その操作感に関してAQUOSブルーレイは満足度がとても高い。
個人的にとても気に入っている機能が、前面のヘッドフォン端子だ。バーチャルサラウンドの処理LSIをレコーダーに内蔵したことで、深夜でも映画などのサラウンド音声を周囲に気兼ねすることなく楽しめる。これは設置場所の関係でサラウンド環境の構築をあきらめている方々にとっても福音となるはずだ(コラム参照)。
このように長時間の番組アーカイブを作成するための、あらゆる要素が詰まったのが新しいAQUOSブルーレイだ。もちろん3D映像の再生に対応した点も大きな進化のポイントだが、その前にレコーダーとしての機能性をしっかり磨き上げている点も見逃せない。
最後に、昨年から推し進められている高画質・高音質を目指した改良が、今年になってさらに進化した点も評価しておきたい。シャープはパイオニアとの提携でレコーダー/プレーヤーを開発する共同出資の子会社を設立したが、シャープの先進的なレコーダー作りとパイオニアの持つ高画質・高音質の遺伝子を組み合わせ、より付加価値の高いBlu-ray Discレコーダーを生み出そうとしている。
例えばHDMI接続による音質を引き上げるために必須といわれる、映像・音声のセパレート出力機能を採用している。これは、映像はテレビやプロジェクターに直結し、音声のみをAVアンプに接続。音声出力には映像信号を混ぜないことで、高音質化を図るというものだ。
また上位機の「BD-HDW700」は、内部電源回路などアナログ部の要所に高品質なオーディオ用パーツを用いている。各種端子類にも金メッキが施されたほか、HDMI出力端子部に広帯域のコモンモードフィルターを採用し、乱れやすい高周波のHDMI信号波形を安定させるように細心の注意を払った。
さらにマニア層が喜びそうな装備もある。背面にIEC規格準拠の3極電源インレットを備えていることだ。付属の電源ケーブルも画質・音質面を重視して採用されたものだが、さらに高品位なオーディオ用電源ケーブルを接続することもできる。一般的な2極メガネ型電源インレットでは、あまり多くの電源ケーブルが発売されておらず、手元にある製品も活用できないが、3極電源インレットさえあれば、余っているオーディオ用電源ケーブルを使って、どのくらい変化するのかちょっと試してみるといった遊びも可能だ。
さて、最後にちょっとしたニュースをお伝えしておこう。前述のように非常にマルチタスク性の高い本機だが、AVC録画を2番組同時に行いながらBlu-ray 3Dを再生することはできない。しかし、今後はファームウェアアップデートによって、この制限をなくすことを検討中とのことだ。
こうした“アフターフォロー”をキッチリと行う姿勢を示しているところも、シャープの企業姿勢を表しているようで興味深い。「こんな機能がほしいな」と思うことを率先して取り込む。まるで、開発チーム自身が製品に新しい要素を組み込むことを楽しんでいるかのようだ。こうして生み出された製品は、きっと使い手側も楽しめると思う。
シャープは、「BD-HDW700/HDW70」に合わせ、同社初となる2機種のヘッドフォンをリリースした。ラインアップは、オープンエアー型の「VR-HSA100」と密閉型の「VR-HSB10」。どちらも製品としては「ステレオヘッドフォン」だが、AQUOSブルーレイの前面ヘッドフォン端子に接続すれば、レコーダー内蔵のバーチャルサラウンド専用回路によって迫力のサラウンド音声を楽しめる。音声回路の特性をAQUOSブルーレイに合わせている点も見逃せない。価格はオープンプライス。リビングルームなどでの利用を想定し、専用のヘッドフォンスタンドと6メートルのロングコードが付属する。
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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年9月19日