“Blu-ray Disc搭載”を活かしきる、3Dテレビの進化形「AQUOS LB3シリーズ」山本浩司の“本命”登場(1/2 ページ)

AQUOSクアトロン3D「LBシリーズ」は、シャープが持てる技術力と企画力を総動員した、じつに興味深い大型テレビだ。発色の良さと3D表示の明るさに定評のある4原色パネルにBlu-ray Discドライブを一体化。さらに録画/再生を同じ筐体で行うことのメリットを深く追求している。

» 2010年11月29日 00時00分 公開
[山本浩司,PR/ITmedia]
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 この秋、9月後半くらいから週末の家電量販店テレビ売り場のにぎわいは、すごいことになっている。来年夏のアナログ停波と例のエコポイント削減騒動もあり、なんとかいいテレビを今のうちに入手しようと数多くの人たちが売り場に殺到しているようだが、話題の大型3Dテレビを購入しようとお考えの方にぜひ注目していただきたい新製品がある。

 それが11月中旬から店頭に並び始めた、「AQUOSクアトロン」第4弾の「LB3シリーズ」だ。46V型の「LC-46LB3」と52V型の「LC-52LB3」の2モデル展開となるこのシリーズ、シャープが持てる技術力と企画力を総動員した、じつに興味深い大型テレビなのである。

AQUOSクアトロン3Dとしては初のBlu-ray Discドライブ一体型になる「LB3シリーズ」。46V型の「LC-46LB3」と52V型の「LC-52LB3」(写真)

 4原色技術を投入した3D液晶テレビ“AQUOSクアトロン3D”「LV3シリーズ」をベースに、Blu-ray Discレコーダーを内蔵させたのがLB3シリーズということになるが、本シリーズは随所にさまざまなブラッシュアップが図られ、よりいっそう魅力的な大型テレビに仕上げられていると言ってよい。

液晶テレビでは初のTHX 3D 認定ディスプレイ

 まず高画質を求めるAVファンにぜひ注目していただきたいのが、LV3の2D画質で認定を受けた“THX”の称号を、液晶テレビとして世界で初めて3D画質でも獲得したことである。THXというのはルーカスフィルムを出身母体とするAV機器認証機関で、テレビのみならずAVアンプやスピーカー、プロジェクターなどできめ細かなレギュレーションを設けて家庭で映画を観るにふさわしいクオリティー基準を提示している団体だが、その認証を得るためには、数百項目の厳しいチェックを受ける必要がある。LB3シリーズは、2Dのみならず3D画質でもその厳しい基準をすべてクリアーしたのだから、これは快挙という他はない。

 家庭用テレビにおけるTHXの考え方は、映画ソフトの画質を最終的に仕上げるときに使用するマスターモニターの画質を目指すというもの。色温度やガンマカーブ、ホワイトバランス、色域などをその基準に合わせて厳密に定めているわけだが、3D画質においてはそれらの項目の他に、3Dメガネをかけた状態で一定基準の明るさに達していることや、左右レンズの輝度や色度のバランスがとれていること、二重像として現れるクロストークやユニフォミティー(画面全体の明るさの均一性)などを厳しく審査するという。

 視聴室を50ルクス以下のほの暗い環境に設定して、実際に「映画(THX)」モードで3D BD-ROM「アイスエイジ3」をLC-52LB3で観賞してみたが、これがすこぶる快適だった。LV3でもその画面の明るさや色のバランスのよさで他社を凌ぐ3D画質を実現していると思ったが、本機の画質はさらに磨き上げられている印象だ。

 まず3Dメガネをかけた状態でも画面の明るさが充分に維持されていているのがいい。これはやはりシャープ独自の「UV2A」技術が大きく寄与しているのだろう。UV2Aとは、液晶分子の並びを高精度に制御してパネルからリブやスリットを追放して開口率を上げるとともに、光漏れを抑えて黒の締まりを向上させる技術である。

 クロストーク(二重像)がきわめて少なく、あざとい強調感のない自然な3D効果がすばらしい。ホワイトバランスもじつに安定しており、2Dの高画質がそのまま立体映像化されたような趣で、オーサリング・スタジオで3D映像を観ているかのような錯覚を抱いた。本機の登場で、やっと家庭用テレビにおける「3Dの画質」について踏み込んだ議論ができるようになったといってもいいだろう。

3Dグラスにも一工夫。内側に張り出した“ひさし”のような部分は、普段メガネをかけている人が3Dグラスを重ねたとき、メガネのフレームで3Dグラスを支える仕組みだ。一体感が増し、メガネ・オン・メガネの違和感を大幅に軽減してくれるうえ、視野も広がる

名作が4原色パネルでよみがえる

 もちろん2D映像の画質も着実に進化している。ぼくがとくに面白いと思ったのは、映画観賞用の映像ポジションがLV3の2種類から3種類に増えたことだ。LV3では「映画(THX)」モードと「映画(クラシック)」モードを搭載していたが、今回のLB3ではその2つに加えて、より汎用的な「映画」モードが加えられたのである。モニターライクに映画ソフトを観るなら「映画(THX)」モードでよいのだが、シャープ企画開発陣は、LB3の4原色パネルの色域の広さを活かした、よりエンターテインメント色の強い、楽しい映画画質ポジションを新たに設けたかったようだ。

 実際に本機の「映画(THX)」モードと「映画」モードをBD-ROMの映画「17歳の肖像」で見比べてみたが、LEDバックライトの設定が微妙に異なるのか、後者のほうが黒がよく沈む明快なコントラスト指向の画調だということが分かった。また、「映画(THX)」で少し気になっていた緑かぶりが払しょくされ、見た目でよりバランスのとれたホワイトバランスが実現されている。主演女優のキャリー・マリガンのスキントーンも好ましく、そのフレッシュな輝かしい肌色を見て、彼女が“21世紀のオードリー・ヘプバーン”と呼ばれていることが理解できる気がした。

LC-52LB3でお気に入りの映画を鑑賞し、思わず笑みがこぼれる山本氏

 一方、往年の色鮮やかなテクニカラー作品に照準を合わせ、4原色パネルの色再現範囲を思う存分使った「映画(クラシック)」モードにも変更が加えられた。内蔵Blu-ray Discレコーダーで1080/60iで記録されたオンエアの映画ソースも、逆2-3プルダウン処理を行ない、24コマ/秒の映像に戻した上で、5-5変換のフィルム等倍処理(1フレームを5回描画して120コマ/秒で表示)を行なうようになったが、その元が24コマ/秒の映像ソースの場合、LV3の「映画(クラシック)」モードでは48Hz周期で画像を完全にブラックアウトするという手法が採られていた。

 当然ながらフリッカー(画面のちらつき)が目立ち、これはいささかやりすぎでは? とも思っていたが、このLB3からこの「シャッター効果」を好みに応じて7段階に調整できるようになったのである。最大の「+6」の設定は60Hz周期のシャッターとなり、フリッカーはほとんど目立たない。

 実際にこの「映画(クラシック)」の「シャッター効果+6」で、地デジ(1080/60i)で放送された「ティファニーで朝食を」を観たが、ちらつきを抑えながら往年のテクニカラー作品らしいリッチ・テイストの豊潤なフィルムルックが味わえ、じつにすばらしかった。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年12月19日