最後に勝氏が考える“これこそが4Kテレビを選ぶ理由だ”と思う点を伺ってみた。「4K対応テレビを所有していない方の多くは、フルHDと4Kなんて大した差はないんじゃないか? と思われているでしょう。しかし、私の場合は仕事でですが、毎日のように映像を4K対応テレビを観ていると、もうフルHDテレビには戻れません。それは映像が4Kではない普通の放送やBlu-ray Discでも同じです」。
これには同意だ。テレビのサイズは年々大きくなっている。例えば55V型のテレビを一般的な10畳ぐらいのリビングに置いた時、テレビと視聴者の距離はかなり近くなる。1.5〜2H(画面の高さの1.5〜2倍)程度の距離でテレビと向き合った場合、フルHDのパネルは粗く、格子を通して見ているように感じられてしまう。「かつてBDが出てきた時、DVDとあまり変わらないと言われたことがありました。しかし、BDに慣れた今、DVDを見直すとビックリするぐらい画質が悪く感じます。もうDVDには戻れません。4K対応テレビも同じです」。大画面テレビでは、迫力が増す一方でアラも目立つ。4K解像度はもちろん、勝氏の取り組んでいる自然なローカルディミングが求められる理由といえるだろう。
そしてもう1つ、“音”に関しても同じことがいえる。冒頭で触れた「X9200B」シリーズのスピーカーを改めて体験すると、ひずみが少なくダイナミックレンジも広いことが分かる。そしてフラットなエネルギーバランスのスピーカーは、内蔵するバーチャルサラウンドの効果をも大幅にブーストする。フロントスピーカーだけでサラウンド効果を引き出すバーチャルサラウンド「S-Force」は、“計算上、立体的に聞こえるハズ”の音を出すようになっているが、それを再生するアンプとスピーカーが正しく音を出せなければ、結局のところ効果は十分に発揮できないのだ。
あらゆる部分で“本物”を追求すると、他の当たり前に実装されている機能がお飾りではなく、本来のパフォーマンスを発揮して価値を高める。内蔵アンプ/スピーカーの改良とバーチャルサラウンド効果の関係は、“本物こそがユーザー体験を最大限に引き出してくれる”ことを証明している。
というわけで、「X9200B」シリーズは自然な映像表現と優れたバーチャルサラウンドの効果を一緒に楽しめるテレビであることが改めて理解できた。例えばリビングルームが狭くてホームシアターを組むことは難しいケースでも、テレビ1台あれば完結した“ミニマルシアター”に変えることができるのは、同シリーズの大きな特徴といえるだろう。
一度購入したら、数年から十数年はリビングの主役として活躍する大画面テレビ。これから購入するのなら、やはり“本物”を選びたいものだ。
型番 | KD-65X9200B | KD-55X9200B |
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画面サイズ(解像度) | 65V型(3840×2160ピクセル) | 55V型(3840×2160ピクセル) |
チューナー | 地上デジタル×2、BS/110度CSデジタル×2 | |
録画機能 | USB外付けHDD対応 | |
高画質化回路 | 4K X-Reality PRO | |
トリルミナスディスプレイ | ○ | |
高輝度技術 | X-tended Dynamic Range | |
倍速機能 | 倍速駆動パネル/モーションフローXR240 | |
バックライト | エッジ型LED部分駆動 | |
スピーカー | 2.2ch(ツィーター、磁性流体ウーファー、サブウーファー各2個) | |
内蔵アンプ(実用最大出力) | S-Masterデジタルアンプ(65ワット) | |
音声信号処理 | ClearAudio+ | |
音声補正技術 | クリアフェーズテクノロジー | |
サラウンド回路 | S-Forceフロントサラウンド | |
3D機能 | アクティブシャッター方式(対応3Dメガネ「TDG-BT500A」別売) | |
無線LAN | ○(内蔵) | |
ネットワーク機能 | SEN、DLNAクライアント(ルームリンク)、TV SideView、ハイブリッドキャスト(予定)など | |
入出力端子 | HDMI×4、D5×1、コンポジットビデオ×1、光デジタル音声出力、USB×3、LAN | |
外形寸法(スタンド含む) | 1715(幅)×916(高さ)×32(奥行き)ミリ | 1494(幅)×791(高さ)×320(奥行き)ミリ |
重量(スタンド含む) | 46.6キログラム | 38.1キログラム |
価格 | オープンプライス | |
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2014年8月13日