2014年に誕生した日本の新興オーディオブランド「Soundfort」(サウンドフォート)。その最新モデル「DS-200」は、1人の技術者が、「全ての音楽を心地よく聴かせる」という自らのこだわりで作り上げたDAC製品だった。
Soundfort(サウンドフォート)というブランドをご存じだろうか。2014年に誕生した日本の新興メーカー、MJTSが展開するオーディオブランドで、ネーミングの由来は「Sound」(音)+「Comfortable」(心地よい)。ハイレゾに限らず、全ての音楽を心地よく、リラックスして楽しめるオーディオ製品を提供することにこだわっている。
ブランドの創立者であり、現在ラインアップしている全製品の開発責任者である片山典之氏は、元々は日本国内の大手半導体商社に長年務めながら設計・製造受託部門の責任者として活躍してきた人物だ。大手電機メーカーの商品向けに半導体製品のOEM/ODMを数多く手がけてきたキャリアと、少年の頃に熱を上げてからずっと趣味としても深めてきたオーディオの見識を生かしながら、自身が理想とする良質なサウンドを多くの音楽ファンに届けたいと一念発起。2008年に独立して以後、現在のサウンドフォートブランドに続く礎を固めてきた。
サウンドフォートでは無駄な色付けを排しながら、徹底的にピュアなサウンドを追求するというコンセプトを愚直に貫いている。いい音を実現するためには、性能の高いパーツを集めて丁寧に組み立てることも大事だが、それだけに止まらず、惜しみなく手間暇をかけて音をチューニングしていく、感性に基づいた音質評価が欠かせないというのが片山氏のポリシー。基板の上に回路を構成するレイアウトに目を配りながら、片山氏のこだわりは商品を出荷前に1台ずつ全数検査するところにまで及んでいるという。
そのサウンドフォートが発売した最新モデルのUSB-DAC内蔵ヘッドフォンアンプが「DS-200」だ。本機はPCにUSB接続して、室内やデスクトップ環境で音楽を楽しむのに最適な据え置きタイプの製品となっている。
大きな特徴は内部の基板構成をアナログとデジタルで完全に分けて配置している点だ。単一の基板にアナログとデジタルの回路を構成した場合の干渉による信号劣化を防ぎながら、電源部もそれぞれに分離してアイソレーションを高めて、サウンドフォートが理想とする徹底的にピュアで混じりけのないサウンドを実現する、高音質化技術の核心がここにある。
基板上の回路を成形するパターンも最終的な製品の音質を決定付ける大事なファクターになる。DS-200では回路パターンに起因する信号劣化やノイズの発生を防ぐため、シンプルな信号の引き回しを実現する回路パターンを採用。基本的な音楽再生能力を高めている。最終バージョンの基板が完成するまで、片山氏は22回にも及ぶトライ&エラーと試聴を繰り返しながら基板の完成度を練り上げてきた。まさに正攻法による真っ向勝負の音づくりを探求してきた成果の数々が、特にアナログ段でのパフォーマンス向上に寄与。ハイレゾ音源の膨大な情報量を余すところなく引き出す、音楽性も豊かなDS-200のサウンドに直結している。
D/Aコンバーターのチップには、バーブラウン(TI)の「PCM1795」、そしてUSBコントローラーにはSAVITECH製の「SA9226」を採用した。それぞれのデバイスが選ばれた理由は、開発者の片山氏が長年に渡って使いこなしてきたデバイスの特性を熟知しており、その知見をベースに細かい“味付け”ができるからだ。PCMは192kHz/32bit、DSDは5.6MHzにそれぞれ対応する。
DSD再生はASIOおよびDoP再生に対応。Macに接続して使う場合はドライバーが不要。Windowsと組み合わせる場合も、同社のサイトから専用のASIOドライバーをインストールすれば手軽に楽しめる。
DS-200では、あえてデスクトップなど室内での据え置き使用をメインに想定して、本体への電源供給にUSBバスパワー給電を使わずに、より安定したDC電源を供給できるACアダプターを選択した。アナログ・デジタル部それぞれを独立した電源供給としたこと以外にも、スイッチング電源に起因するノイズを除去するフィルターや大容量コンデンサーを配置してアナログ回路にピュアで雑味のない電源を送り込む内部構成とし、特にハイレゾ再生時に重要となるワイドなダイナミックレンジと、ヘッドフォン出力時で101dB、RCA出力時には114dBという良好なS/Nの値を実現している。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2016年4月28日