五輪に間に合った“次世代DVD”――松下、世界初2層記録BD/DVDレコーダー(2/2 ページ)
「HD放送が増えるアテネ五輪はBlu-ray Disc普及の絶好の機会」とばかりに、松下電器産業がBD/DVDレコーダーを発表。従来、困難とされていた50Gバイト2層記録方式も独自コア技術でクリア。「HD DVDとの次世代DVD覇権争いにも勝算」と、月産2000台という強気の生産体制で臨む。
BDレコーダーとしては業界初となる地上/BS/110度CSデジタルチューナー&アナログ地上波チューナーの4チューナーを搭載。デジタル放送の高画質を忠実に再現するため、同社の薄型テレビに搭載されている「PEAKSプロセッサー」とDVDレコーダーの「DIGAエンジン」を融合した新しい高画質化システムを開発した。
DIGAシリーズで好評の新聞テレビ欄ライクなEPG(テレビ番組ガイド)を4チューナーそれぞれに搭載。拡大縮小機能によって3〜9チャンネル分までの一覧表示が選択可能。また、番組リスト型と画像リスト型の2種類のプログラムナビで、ディスク内の見たい番組を素早く選ぶことができる。
記録はBlu-ray Disc以外にDVD-RAM/-Rもサポート。Blu-ray Disc(BD-RE)、DVDビデオ、DVD-RAM、DVD-R、音楽CD、CD-R/RW(CD-DA)の再生に対応する。
ただし録画方法は光ディスクのみで、DVDレコーダーでは標準仕様になりつつある録画用HDDは搭載していない。
「HDD搭載に関しては(当社の)BD1号機として基本機能に絞ったため省いた。もっとも、2層記録によって50Gバイトという大容量のディスクを使えるため、地上アナログ放送の場合で最大62時間まで録画できるなどBDをHDDと同じように使うことができる。今後は市場の動向をみてHDD搭載機種の市場投入タイミングなど検討していきたい」(同社)
また、再生専用のBD-ROMにも対応していない。
「今回の製品はデジタルハイビジョン放送を録画する目的で開発したのと、BD-ROMは規格がきちんと決まっていないため対応を見送った。ROM規格が定まったときのバージョンアップでの対応などは未定」(同社)
月産2000台のニーズはある。HD DVDとの次世代DVD覇権争いにも勝算
驚くのは同社が掲げる月産2000台という生産目標だ。高額な新規商品としては異例の数字で、オリンピック需要を見込んでいるとはいえかなり強気の見通し。ちなみに、ソニーのBDレコーダーは累計で1000台程度しか出荷されていないというウワサもある。
「今回の市場投入タイミングは、アテネオリンピックをハイビジョンで録画したいというニーズに応えたという点が大きい。だがオリンピック以降も、地上デジタルの普及でハイビジョン録画のニーズはさらに増えるとみている。潜在ニーズも含めて月産2000台ぐらいの需要は十分ある。生産キャパも市場のニーズに合わせて柔軟に対応していく予定。高い技術力を持つ国内の門真工場で生産していく」(同社)
次世代DVDでは、HD DVDという対抗馬も存在する。だが同社は勝算について次のように語った。
「基本的に記録装置というのは容量が決め手になると思う。ユーザーのニーズはより高画質でより長時間。HD DVDよりもハイビジョン映像を長時間録画できるBDは、優れたフォーマットとして最終的にはユーザーに認めてもらえると思っている」(同社)
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