ポケットに入るデジ一眼――「マイクロフォーサーズシステム」発表
「フォーサーズシステム」の拡張規格「マイクロフォーサーズシステム」が策定。小型軽量なデジ一眼を実現する規格で、松下とオリンパスは「ポケットに入る一眼レフ」の開発を目指す。
パナソニックとオリンパスイメージングは8月5日、両社の推進するデジタル一眼レフカメラ規格「フォーサーズシステム」の拡張規格、「マイクロフォーサーズシステム」を発表した。本規格に準拠した製品の詳細や登場時期は未定だが、オリンパスは「E-420よりもさらに小型化・薄型化したボディやレンズ群の商品化を進める」としている。
既存のフォーサーズが銀塩一眼レフのデジタル化を意図する規格であるのに対し、新規格はより小型軽量なデジタル一眼レフを開発・提供するために策定された。基本的な特徴は継承するが、フランジバック(マウントと撮像素子の距離)を約1/2に短縮したほか、レンズマウントの接点数は9点から11点に、マウントの外径も約6ミリ縮小されている。
フランジバックの短縮化によって、ボディの薄型化と広角レンズの小型化が容易になるほか、レンズマウント接点数の増加によって、ライブビューや動画撮影などさまざまな処理の高速化と高機能化が可能になる。マウントの小径化はそのままレンズの小型軽量化に結びつく。
レンズについては、フォーサーズ規格準拠のレンズにアダプターを装着することでマイクロフォーサーズ規格のカメラでもフォーサーズ規格のレンズを利用できる。なお、マイクロフォーサーズ規格のレンズをフォーサーズ規格のカメラに装着することはできない。
CIPAの調査によれば、2010年にデジタルカメラの総出荷台数は1億2650万台にものぼることが予測されているが、そのうち、レンズ交換式一眼レフのしめると思われる台数は1121万台と1割にも満たない。オリンパスイメージング 代表取締役社長の大久保雅治氏は「デジタル一眼レフを活性させるさらなる提案が必要」と新規格の意図を説明する。
マイクロフォーサーズシステムの特徴をいかし、ミラーレスの厳密には一眼レフとは言えない「レンズ交換式デジタルカメラ」が登場する可能性も示唆された。「いろいろな形態へ展開できるのがマイクロフォーサーズシステムの大きな特徴。小型軽量カメラや超小型広角レンズ、動画撮影ができるレンズ交換式、といったものも可能です。それに、今まで“重い”“大きい”といった理由で一眼レフを手にしてくれなかった人へアピールできる製品を作り出すこともできます」(松下電器産業 パナソニックAVCネットワークス社 副社長 吉田守氏)
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