「おでかけ」だけじゃない、ソニーのBDレコーダー「BDZ-A750」を検証する(前編)(2/2 ページ)
ソニーが2009年の春モデルとして投入するBDレコーダー「BDZ-A750」は、「おでかけ転送」の強化をはじめ、「アクトビラ」対応など多くの新機能を追加している。強化ポイントを中心にレビューしていこう。
自由度の高さと画質が魅力の「おでかけ転送」
先代のBDZ-A70に加え、現行ラインアップでは「X」シリーズにも搭載されている「おでかけ転送」。BDZ-A750/950でも先代のBDZ-A70の機能をほぼ継承しており、デジタル放送を含めた録画番組を320×240ピクセルでMPEG-4/AVC(H.264)に変換してPSPや対応するウォークマンに転送できる。設定期間を経過した転送済み番組をワンタッチ転送時に自動で「おかえり転送」する“更新転送”も引き続きサポート。アナログ放送などコピーコントロールされていない録画番組は、FOMAなど一部の携帯電話に転送して再生することもできる。


「おでかけ転送」は複数の録画番組を選択してまとめて転送が可能。転送先の空き容量とダビングに必要な容量も事前に確認できる(左)。「おでかけ転送」は録画番組一覧からもオプションメニューから実行可能。途中まで見ていた番組の続きを転送といった操作もスムーズだ強化された点は、まずUSBポートが前面カバー内と背面の2カ所に配置され、どちらに接続した対応機器にも転送が可能になったこと。ウォークマンであれば、クレードルのケーブルを背面につなぎっ放しにしても前面カバーを閉じておくことが可能となり、両方に対応機器を接続した場合には前面が優先されるので、複数機器へ転送も問題なく行える。ウォークマンの充電も兼ねたクレードル接続が、よりスマートにできるようになった。
また先代ではダビング10対応の録画番組でもおかえり転送でレコーダー側のダビング可能回数が加算されるのはダビング可能回数が1回(ムーブのみ)になっていた場合だけだったが、BDZ-A750/950では必ず1つ加算される動作になった。現実問題として先代の仕様でも大きな問題はなかったが、より安心して利用できるようになったともいえる。
同様の機能としては、パナソニックの「ワンセグ録画」が挙げられるが、こちらは地上波デジタル放送でワンセグ放送も同時に記録し、ワンセグ放送だけをSDカードにダビングする仕組みだ。microSDカードにダビングすれば、ワンセグ録画対応の携帯電話の多くで再生が可能になる点は確かに手軽だろう。対してBDZ-A750/950の場合は、エンコードを行うため放送波を選ばず、また画質面では明らかに有利だが、映像を持ち出す端末が限定される。もちろんBDZ-A750/950にはPSPやウォークマン同様の扱いで携帯電話へのおでかけ転送が可能になることを期待してはいたし、後継製品では実現してほしいとも思う。自動転送なども行えるメリットもあり、甲乙つけ難いといえる。
蛇足になるが、PSPの設定でメモリースティックにおでかけ転送したデジタル放送の録画番組は、ソニースタイルで販売されてい「た」Windows用のプレーヤーソフトである「Memory Stick Video Player」でも再生が可能だ。著作権保護対応のメモリースティックリーダーが必要になるが、ソニーのPC、例えば人気のVAIO「Type P」などの内蔵メモリースティックリーダーでも大丈夫なはず。今回はウィルコムの「D4」と「MSAC-US30」の組み合わせでチェックしてみたが、非力なATOM/1.33GHzとWindows Vistaの組み合わせでも実用レベルでの再生が可能であった。製品情報(http://www.memorystick.com/jp/have/video.html)はしっかりと紹介されているのに、「Memory Stick Video Player」が現在販売停止中なのが気がかりではあるのだが……。


これがWindows XP/Vista上で動作する「Memory Stick Video Player」。クロスバーメディアに準じた操作体系でメモリースティックに「おでかけ転送」した番組を再生可能。音声付きの1.5倍速再生やチャプター操作にも対応しているため、おまかせチャプターも活用できる。再販される、もしくは無償配布されるという噂はあるものの、現時点では残念ながら購入できない後編では、セルスルーもサポートした「アクトビラ」を中心にお伝えする。
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