USBの外付けHDD増設、東芝「RD-X9」登場
東芝は、フラグシップモデルの「RD-X9」を含む「VARDIA」新製品を9月に発売する。外付けUSB HDDの増設に対応。手軽に録画容量を増やすことができる。
東芝は8月6日、HDD&DVDレコーダー「VARDIA」(ヴァルディア)の新製品として、フラグシップモデルの「RD-X9」を含む4機種を発表した。VHS一体型の「D-W250K」を除き、3機種が外付けUSB HDDの増設に対応する。9月上旬から順次発売する予定だ。
レコーダーへのHDD増設はパイオニアの前例があるものの、USB接続に対応したのは初めて。背面の専用USBポートを使い、最大2Tバイトの外付けHDDを8台まで接続できる。ケーブルをつなぐだけで手軽に録画容量を増やすことができる。外付けHDDに対しては、直接録画や内蔵HDDからのダビングが可能。「ダビング10」に対応しているため、外付けHDDに録画した番組を後からDVDメディアにダビングすることもできる。
内蔵HDDの容量は2Tバイト(RD-X9)。地上デジタル放送ならTSモードで約259時間の録画が可能だ。またMPEG-4 AVC記録の「HD Rec」もサポートしているため、ハイビジョン解像度のまま最大で約1322時間の録画が行える(TSE 2.8Mbps時)。音声は最大5.1チャンネル×2ストリームまでAACのまま保存するため、2カ国語放送やサラウンド放送を無劣化で残すことができる。なお、今回から“7倍録画”のTSEモードを標準設定に加え、リモコンの録画モード選択ボタンで容易に設定できるようにした。
独自の映像処理技術「XDE」(eXtended Detail Enhancement)も新しくなった。XDEは、輪郭情報を補正する技術やノイズを抑える技術などを組み合わせ、高精細な映像を再現する技術。新たに輝度と色の境界の立ち上がり波形を改善するアルゴリズムを追加し、画像をエンハンスする際の過度な強調を抑えたことで、より最適な形でXDEが機能するようになったという。また、各種パラメーターの見直しにより、エンハンス効果を最適化。さらにDeepColor対応のRD-X9では、「グラデーションスムージング機能」を追加しており、階調が不足しているコンテンツに対しても精細感を維持しつつ、より滑らかな質感を表現できるという。
HDMIのマスタークロック生成回路には、音質に影響するジッターを軽減させる「ジッターリダクション回路」を搭載。光/同軸出力にも対応する。クリアで奥行き感のある音質を実現したという。
このほか、プレイリストを使ったハイビジョン番組のダビングや「スカパー!HD録画」もサポート。DLNAとDTCP-IPをサポートしているため、LAN接続したスカパー!HDチューナーからイーサネット経由でハイビジョン録画が行える。予約操作は、スカパー!HDチューナー側だけで行えばいい。
新機能として、LAN経由でハイビジョン番組のダビングが行える「ネットdeダビングHD」を搭載する。従来の「ネットdeダビング」では、VRタイトルのみ伝送できたが、今回はTSタイトルおよびスカパー!HD録画したTSEタイトル(未編集)を対応機器同士でダビング可能だ。また、ネットdeダビングのダビング速度も向上したという。
型番 | RD-X9 | RD-S1004K | RD-S304K | D-W250K |
---|---|---|---|---|
HDD容量 | 2Tバイト | 1Tバイト | 320Gバイト | 250Gバイト |
光学ドライブ | DVDマルチ | |||
2番組同時録画 | デジタル×デジタル | デジタル×アナログ | ||
USB HDD増設 | ○ | ○ | ○ | ー |
入力端子 | D1映像×1、S1×2、コンポジット×2、アナログ音声×2 | S1×1、S映像入力×1、コンポジット×2、アナログ音声×2 | S1×2、コンポジット×2、アナログ音声×2 | |
出力端子 | HDMI×1、D4×1、S1×1、コンポジット×1、アナログ音声×1、録画用(S1、アナログ音声)×1、光デジタル音声×1、同軸デジタル×1 | HDMI×1、D4×1、S1×1、コンポジット×1、アナログ音声×1、光デジタル×1 | HDMI(1080i対応)×1、D4×1、S×1、コンポジット×1、アナログ音声×1、光デジタル音声×1 | |
i.LINK | ○(2ポート) | ○(1ポート、DV共用) | ー | ー |
スカパー連動端子 | ○ | ー | ||
外形寸法 | 431(幅)×339(奥行き)×72(高さ)ミリ | 431(幅)×342(奥行き)×72(高さ)ミリ | 435(幅)×354(奥行き)×100(高さ)ミリ | |
重量 | 5.6キロ | 5.4キロ | 5.2キロ | 6.3キロ |
実売想定価格 | 12万円前後 | 9万円前後 | 7万円前後 | 6万円前後 |
発売時期 | 9月上旬 | 9月中旬 |
関連記事
- 「XDE」の分かりやすい効果――東芝「SD-XDE1」
東芝の「SD-XDE1」は、「XDE」と呼ばれる新しい映像処理チップを搭載したDVDプレーヤー。低価格製品ながら、DVDをハイビジョンに迫る高精細な映像で再生するという。その実力は? - 独自の進化を果たした東芝「RD-X8」(前編)
東芝からハイビジョンレコーダーの2008年冬モデル3製品が登場する。全製品に高精細技術「XDE」を搭載、ネットワーク接続による「スカパー!HD」録画に対応するなど、独自の進化を果たした。 - 独自の進化を果たした東芝「RD-X8」(後編)
前回に続き、東芝のハイエンドモデル「RD-X8」を検証する。今回はネットワーク経由の録画を実現した「レグザリンク・ダビング」やより長時間のハイビジョン録画が可能になったAVC録画機能などを取り上げる。 - 東芝、1Tバイト HDD搭載のエントリー向け“VARDIA”
東芝がハイビジョンレコーダー“VARDIA”「RD-E1004K」「RD-E304K」を発売。いずれもエントリー層向けながら、RD-E1004Kは1TバイトのHDDを搭載した。 - ちょっと気になる? “VARDIA”「RD-G503」の白い窓
東芝がこの春に投入するDVDレコーダー「RD-G503」は、従来のVARDIAとは少し違った方向性を持つ製品だ。フロントパネルに表示部とカーソルキーを備え、ここだけで録画予約が完結するという。 - テレビなしでも録画確認、東芝VARDIA新製品
東芝がハイビジョンレコーダー“VARDIA”の新製品「RD-G503」「RD-E303」を発売する。RD-G503は本体前面の液晶のみで番組予約が行える「かんたん本体予約」機能を搭載した。 - XDEにスカパー!HD録画、東芝の新「VARDIA」詳報
東芝はDVDレコーダー「VARDIA」の新製品などを発表した。新搭載の「XDE」にくわえ、10月に放送を開始するスカパー!HDのネットワーク録画機能やREGZAとの連携強化など、多くの新機能が盛りこまれている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.