「iTunes 9」はコレクター魂をどこまで刺激できるか:Appleイベント現地リポート(2/2 ページ)
Appleスペシャルイベントの詳細を現地から引き続きお伝えする。ビデオカメラを内蔵したiPod nanoに続いて、より“Genius”になった最新版のiTunes 9を見ていこう。
コレクション欲を満たすiTunes 9の新機能
事前リポートでも書いたように、今回のスペシャルイベントではAppleが複数の大手レコード会社と共同でアルバムをコレクションする楽しみを増やす新サービス「Cocktail」を提供することが予想されていた。ジョブズ氏によれば、これは「iTunes LP」の名称でサービスメニューの1つとして実装されることになったようだ。
iTunes LPに対応したアルバムでは、画面右上に「LP」のマークが表示されている。これらアルバムでは単純に楽曲が複数聴けるだけではなく、フォトギャラリーやビデオクリップ、ライナーノーツなど、アルバムを購入するとついてくる“オマケ”のようなコレクションアイテムが多数用意されている。オンライン販売ではアルバム全体よりも特定の楽曲1つのみをつまみ食いして購入する傾向が強いと言われるが、アルバムをコレクションする楽しみを改めて提案するのがLPの狙いだ。ネーミングの由来は不明だが、かつてのLPレコード時代を懐かしむところから着想を得たのかもしれない。
iTunes Storeの登場で一躍メジャーな存在となったオンライン販売だが、利用者は個々の作品を単純に1つのアイテムと見なすようになり、その関連性や背景まで気を配ることが少なくなったのかもしれない。またダウンロード販売でコレクション意欲は満たされないという意見も散見される。今回のiTunes LPは、ダウンロード販売で世界一の事業者となったアップルの反省と、原点回帰という意味が込められている可能性がある。
デモストレーションでは楽曲アルバム以外に、映画コンテンツでオマケのキャラクタークリップ集やオリジナルのチャプター選択画面などが追加されている様子が紹介されており、「ダウンロード販売でもコレクション意欲を満たす」という目標がiTunes 9からはかいま見られた。
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