液晶パネルの生産能力を倍に、シャープが「グリーンフロント堺」竣工式
シャープは4月16日、大阪府堺市の「グリーンフロント堺」で竣工披露式を催した。その席上、シャープの町田会長は7月に液晶パネルの生産量を現在の倍に引き上げることを明らかにした。
シャープは4月16日、大阪府堺市の新工場「グリーンフロント堺」で竣工披露式を催した。式典には、大阪府の木村副知事や堺市の竹山市長、同社のCMキャラクターを務める女優の吉永小百合さんらが出席してテープカットを行った。また同日、シャープはグリーンフロント堺における液晶パネルの生産量を倍に引き上げると発表している。
グリーンフロント堺は、テレビ用の大型液晶パネルや太陽光発電装置を製造するシャープの新しい生産拠点。2007年11月に建設をスタートし、2009年10月には稼働を開始した。町田会長は報道陣の取材に応じ、「2年弱という短期間で建設から稼働まで行えたことは画期的だ」と胸を張った。
「歩留まりのトラブルもなく、たいへん順調に立ち上がった。これは、技術者が第8世代、第10世代と世代を追うごとに、機械を熟知して対応することができるようになったことによるもの。地域の皆さんのご協力もあって、スムーズに稼働できたと喜んでいる」(町田氏)。
グリーンフロント堺の液晶パネル工場(シャープディスプレイプロダクト株式会社)では、40V型以上の大型サイズを中心に、新しい光配向方式UV2A(ユーブイツーエー:Ultraviolet induced multi-domain Vertical Alignment)を採用した液晶パネルなどを生産している。現在は、最先端の第10世代マザーガラスを月に3万6000枚投入してフル操業中だが、町田氏によると7月には生産能力を倍の7万2000枚体制へと引き上げるという。理由は、需要の高まり。「国内はエコポイント制度の後押しにより、3月末には販売店やメーカーの在庫が完全になくなった。相変わらず引き合いも旺盛だ」(町田氏)。
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