“クアトロン”搭載AQUOSはパッと見で違いが分かる、シャープ戦略発表
シャープは2010年度の経営戦略説明会を開催し、新型ディスプレイ技術“クアトロン”搭載AQUOSで国内の液晶テレビ出荷台数を1.4倍に拡大する計画を発表した。
「“クアトロン”搭載AQUOSは4月から欧米市場で販売開始している。その高輝度性能は店頭で一目見るだけで、他社との違いは一目瞭然だ」。シャープ代表取締役社長、片山幹雄氏は2010年度の経営戦略説明会で、液晶テレビ事業の成長性について強気の見通しを語った。
“クアトロン”とは同社が開発した新しいディスプレイ技術で、光配向技術を採用してパネルの開口率を高くし、明るさや高速応答性、高コントラストを実現した「UV2A技術」と、映像信号を従来の3色から4色に増やして高輝度・高色再現性を達成した「4原色技術」を搭載した高性能パネルのこと。すでに店頭販売の始まっている北米の大手量販店では、常設展示コーナーの数が2〜3倍に増えるなど、上々の手応えを感じているという。日本では今夏に3Dテレビを含めて“クアトロン”搭載AQUOSの市場投入が決まっている。
「世界の液晶パネル市場は、2010年以降も引き続き供給不足が続くと予想している。特にLEDテレビと3Dテレビの予想以上の需要拡大で、高性能パネルへニーズはより強まっていくだろう」(片山社長)。
液晶パネルを自社生産する同社にとって、3Dテレビなど高付加価値パネルの市場拡大は追い風になる。堺工場の生産能力を昨年度の月産3万6000枚から今年10月には2倍の7万2000枚に引き上げて、世界的な需要増を取り込む事業戦略を示した。
価格下落の激しい薄型テレビ市場では、各社とも収益性の高いプレミアムモデルの投入が急務となっている。シャープは3Dテレビにクアトロン技術を搭載して、先行するするパナソニック、ソニーの追い上げを図る計画だ。後発の強みをどれだけ発揮できるかが鍵となるだろう。
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