今が旬! 使えるBlu-ray Discレコーダーの選び方:バイヤーズガイド(2/2 ページ)
年末商戦に向け、今年も各社のBlu-ray Discレコーダーが出そろった。3Dにスカパー!HD対応、DLNA、マルチタスク性など、最近のトレンドを紹介しつつ、用途に合わせたオススメ機種を挙げていこう。
パナソニックとソニーは、スカパー!HDチューナーで録画予約を行うと、予約情報が転送され録画予約の重複がレコーダー側で事前に確認できる。内蔵チューナーと合わせて2番組同時録画が可能。ソニーの場合、優先順位を高くすることで自動録画と重複してもスカパー!HDの予約録画を優先できる。従来のソニー製品は、スカパー!HD録画の録画ユニットが固定されていたが、2010年冬モデルではこの制限もなくなっている。
東芝のWチューナー製品は、録画予約してもレコーダー側に録画予約情報が反映されず、録画ユニットも「DR2」に固定されている。内蔵チューナーでの録画が優先されるため、「スカパー!HD」録画の制限はもっとも大きいといえる。内蔵チューナーで2番組同時録画が頻繁に発生するような使い方をする場合には注意が必要だ。
ただ、東芝のシングルチューナーモデル「RD-BR600」は、低価格ながらもスカパー!HDと内蔵チューナーの2番組録画が可能。こちらも内蔵チューナー録画との重複を気にする必要はなく、ダビング操作など録画が実行できない動作だけに注意すればいいため、Blu-ray3Dとスカパー!HD録画のためにBDレコーダーを買い足すといった場合には悪くない選択肢といえるだろう。
レコーダーとしての進化は?
ここからはメーカーごとの傾向を分析していこう。2010年冬モデルにおいて、競合他社より一歩先に行く機能を備えているのは、やはりパナソニック製品だ。ダブルチューナーモデルではマルチタスク動作の制限がほぼ撤廃された形になり、録画とダビングの並行動作の制限がほとんどなくなった。また他社も追従することは確実ながら、コピー制御された録画番組をダビングしたBDメディアからHDDへの“書き戻し”に対応したのも唯一。さらにDLNAサーバだけでなく、DLNAクライアントに対応する製品も用意されており、ほかのDLNAサーバ機能を持つレコーダーで録画した番組を再生することも可能だ。自動録画機能は従来機とあまり変わっていないが、そのほかの機能にはほとんどすきがない。
自社の旧モデルに比べて大きな進化を遂げたのがソニーで、2番組同時のAVC録画が可能になった。また、強力な自動録画機能を備えているからこそ、録画ユニットという概念がなくなったメリットは大きいといえる。動作の軽快さにこだわった製品でもあり、利用頻度の高い時間帯の自動学習も反映される高速起動は本当に早い。電子番組表の使い勝手も大幅に向上している。画質変換ダビングと録画が並行動作できない制限は残されているが、軽快なユーザーインタフェース、強力な自動録画機能、見たい番組を容易に見つけられるオートグルーピングなど、独自の魅力も多い。
シャープの2010年冬モデルはスタンダード機の追加にとどままるが、ダブルチューナーモデルでは既に2番組同時AVC録画は導入済みで、2番組同時録画中でも高速ダビングが可能と、マルチタスク性は2010年冬モデルにおいても高い水準にある。また無線LAN機能をハイエンドだけでなくスタンダードモデルでも採用している点も特長。既に触れたとおり、ダブルチューナーモデルではスカパー!HDチューナーとの組み合わせで3番組同時録画まで可能だ。ユーザーインタフェースは凝ってはいないものの、その軽快さも特長。2010年夏モデルのハイエンド2製品も含め、分かりさすさと多機能が共存したラインアップといえる。
三菱電機は、他社であればスタンダードモデルとなるダブルチューナーの2製品が2010年冬モデルとして登場している。2009年冬モデルのマイナーチェンジとなり、目新しい機能は搭載されていないが、過去の録画予約から学習して好みの番組を録画する「おすすめ自動録画」、番組本編だけを再生可能な「オートカットi」やスポーツ中継などでハイライトシーンだけを再生する「見どころ再生」といった特徴的な機能は健在だ。簡単操作にこだわっている点も見逃せない部分で、リモコンは上部をテレビ操作専用とした新デザインに変更されている。AVC録画は1番組のみと競合製品に見劣りする部分はあるが、同じHDD容量の競合製品に比べて実売価格がリーズナブルという魅力もある。
BDレコーダーでは最後発となった東芝は、自社設計の証ともいえる「RD」型番を2010年冬モデルとして投入した。AVC録画が同時1番組という点は若干“いまさら感”もあるが、これを補う形でDRモードからAVCモードへの高速変換機能を搭載しており、録画は放送波そのままのDRモード、BDへのダビングは番組に応じてAVCモードも活用といった使い方ではむしろ便利な面もある。また高精度の自動チャプターを元に番組本編だけのプレイリストを作成し、プレイリストをまとめてダビングするといった使い方も可能で、ライブラリー派には魅力的な機能が多い。さらに市販のUSB HDDを使って簡単に録画容量を増やせるなど、とにかく高画質なDRモードで録画しまくる人に向いている。競合製品にはない魅力があるのは事実だ。
下表にこれまで触れた機能を製品別にまとめた。購入時の参考になれば幸いだ。
※1.オートカットiで本編のみ、CMのみのダビングは可能
※2.コピー制御されていない録画番組のダビング時のみ可能
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