新DIGA「DMR-BZT900」の“4番組同時録画”をチェック(前編)(3/3 ページ)
パナソニック「DMR-BZT900」は、スカパー!HD録画を合わせて4番組の同時録画を可能にした注目のBlu-ray Discレコーダーだ。実際に録画してみると、3〜4番組同時録画でも高いマルチタスク性を確保した一方、ちょっとした制約もあることが分かった。
3〜4番組同時録画でも高いマルチタスク性を確保
同時録画可能な番組数が増えるほど、気になるのがマルチタスク性だろう。より多くの番組を録画できるわけだから、録画番組を効率よく再生、ダビングできないと、その意味が薄れてしまう。
複数番組同時録画時の動作制限は、従来のダブルチューナーモデルから基本的に変化はない。先に上げたように、MPEG-4/AVC録画は必要に応じて録画モードをエンコーダー不要のDRモードに切り替えるため、同時録画数が増えてもマルチタスク性が損なわれる理由はなく、HDDの読み書き速度が追従できれば問題ないからだ。
したがって内蔵チューナーによる同時録画数に関係なく、録画中でも録画番組の再生、ファイナライズを伴わない高速・1倍速(画質変換)ダビングが行える。日常的に発生しそうな制限といえば、まず同時録画数に関わらず、録画中はネットワーク機能(お部屋ジャンプリンクのクライアント機能やYouTubeなど)が使えないこと。録画にDVD互換の録画モード(XP〜FR)が含まれていたり、スカパー!HD録画が加わった場合には市販のBDビデオやAVCHDで記録されたディスクの再生ができないといったあたりになる。
また、スカパー!HDの録画中は1倍速ダビングが行えないほか、スカパー!HD録画を含んで3番組以上の同時録画中はダビングが開始できない。スカパー!HDが絡むと少し制約が増えるといった印象だ。
予約録画が開始できない条件も似ている。ファイナライズを伴うダビング中、ディスクのフォーマット中、写真・音楽の編集・取り込み・書き出し、AVCHDの取り込み中などに予約録画が開始できない。ファイナライズを含むダビングを除けば、頻繁に利用する機能とはいえないので、さほど厳しい制限ではない。また1倍速ダビングの実行中は、DVD互換の録画モード(XP〜FR)とスカパー!HDの予約録画は開始されない。1倍速ダビングとスカパー!HD録画は同時動作できないということを覚えておくと良いだろう。
なお、ネットワーク機能(お部屋ジャンプリンク、アクトビラ、YouTubeなど)と予約録画は同時動作できないものの、予約録画が優先されてネットワーク機能は自動終了する仕組みだ。視聴中のコンテンツが自動終了するのは興ざめするかもしれないが、予約録画に失敗するよりは良いと思う人がほとんどだと思う。
この高いマルチタスク性に対してあえて不満をあげるとすれば、やはりDRモードへの振替録画だろう。例えば4番組の同時録画を行った場合、内蔵チューナーで録画する3つの番組は、全てDRモードへの振替録画となる。3番組同時録画(内蔵チューナー3番組、もしくは内蔵チューナー2番組+スカパー!HD)の場合、内蔵チューナーの2番組はMPEG-4/AVCでリアルタイムに録画されるのだが、4番組同時録画の場合と動作の違いが大きい。これ以外にも同時録画中に録画番組の再生を行うと、MPEG-4/AVCモードでリアルタイムに録画されるのは1番組のみとなる。
これは内蔵チューナーで3つの番組を長時間モードで同時に録画しているところ。2番組はMPEG-4/AVCの録画モードでリアルタイムに録画され、1番組はDRモードに振り替えられている。これにスカパー!HD録画が加わると、内蔵チューナーによる録画は全てDRモードへの振り替えになってしまう
もちろんDRモードに振り替えられた番組でも、最終的には指定した録画モードに変換されるのだが、未使用時にきちんと電源をオフにしておかないと、いつまで経ってもDRモードで保存されたままになってしまう。例えば、いくつもの連続ドラマやシリーズ番組を何カ月もHDDにため込み、まとめてBDにダビングするといった人は、不満を感じる場面もあるかもしれない。
後編では、長時間録画モードの画質を中心に触れていこう。
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