手が届く全録テレビ、“REGZA”「ZG2シリーズ」詳報:合わせてクアッドコア?(3/3 ページ)
CELL REGZA譲りの「タイムシフトマシン」を搭載した“REGZA”「ZG2シリーズ」が登場する。映像エンジンは「CEVOエンジン」の基板を2枚使った「レグザエンジンCEVO Duo」。2TバイトのHDDに地デジ9チューナーという“ぜいたく仕様”だ。
3D映像の進歩
3D関連では、新搭載の「3Dクロストークキャンセラー」も見逃せない。これは、液晶パネルにいわゆる“オーバードライブ”をかけて3D表示の品位を向上させる技術。3Dテレビでは、1秒間に120回も画面を書き換えることになるが、液晶の応答特性によって右目用の画像を表示するときに左目用の画像の輝度が残存してクロストークが発生してしまう。そこで「左右の画像を表示する際、直前の残像を打ち消すために液晶の応答特性とバックライトの点灯タイミングをコントロールする」。
前述の「アクティブスキャン480」も3D視聴に合わせて改良された。例えば「HDMI入力の1080/24p映像は、単純に同じフレームを2回表示するのではなく、補完フレームを表示する仕様になった」。これにより、3D表示の際にクロストークを抑えつつ、滑らかな映像表現が可能になったという。
2D-3D変換では従来の「ベースライン3D」に「カラーディテール3D」と呼ばれる新方式を採用。奥行きを推定する際、色情報を用いて物体の前後関係を判定し、局所的な凹凸を持たせることで疑似3Dの精度向上を図った。
合わせて、別売のアクティブ液晶シャッターメガネ「レグザ3Dグラス」もアップデート。内蔵バッテリーをmicro USB端子で充電できるようになったほか、重量は約35グラムと軽量化されている。バッテリー寿命については、2時間の充電で23時間の3D視聴が可能だという。なお、同オプションは同時発表の「ZP2シリーズ」では利用できない点に注意してほしい。
番組表の起動時間は従来機比6倍もスピードアップした。リモコンの「番組表」ボタンを押せば、約0.3秒で番組表が表示される。番組選択の操作やページ切り替えもスピーディー。例えば「>>」ボタンでページ送りをしたとき、全画面の書き換えにかかる時間は従来機(ZG1)が約1.5秒だったのに対し、ZG2ではわずか0.3秒となっている。
ネットワーク関連では、新たに「YouTube」をサポート。もちろん「アクトビラ」や「T's TV」「ひかりTV」「Yahoo!動画チャンネル」「TSUTAYA TV」も視聴できる。iOS端末やAndroid端末でレグザを操作できる「レグザAppsコネクト」にももちろん対応している。
タイムシフトマシンに進化した3D表示、複数枚超解像と、最新技術を惜しみなく投入したZG2シリーズ。東芝では、「2010年はエコポイント需要で低価格なテレビがよく売れた。しかし、(特需の終わった)2011年は、製品個々の実力が試されるとき。“調べて選べば、やっぱりREGZA”と言われるものを作ったつもりだ」(本村氏)と話している。
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