これから普及するインタフェース、MHLの現状:MHL 2.0が登場(2/2 ページ)
Android端末を中心に採用が進むモバイル機器用インタフェース「MHL」。ここへきて、AVアンプなどの対応機器も増えてきた。
理由の1つは、固定通信インフラの成熟度だという。ブロードバンドインフラが普及した日本では、テレビ自体にネット機能を搭載して問題なく利用できる。しかし新興国ではスマートフォンがメインの通信端末になるケースも多く、MHL接続でWebブラウズしたりと“簡易スマートテレビ”のように使うニーズが高いのだという。ただし、MHLのプロモーターでもある東芝やソニーが国内製品に採用しない理由もなく、説明会に同席した両社の担当者も対応製品の投入には前向きな姿勢を示した。「今後も豪州、欧州、新興国、日本を含めて対応製品を拡大していく」(東芝デジタルプロダクツ&サービス社、商品統括部の阿部裕俊参事)。
一方、今年に入って急に対応機種が増えたのがAVアンプだ。オンキヨーが「TX-NR818/NR717」など2012年モデルにMHLを積極的に採用しているほか、パイオニアが6月13日に発表した「SC-LX56」もフロントHDMI端子をMHL対応とした。また、パッケージにはMHL認証ケーブル(1メートル)を同梱し、利用を後押しする。
このほか、自動車関連の動きも活発化している。例えばパイオニアが海外で販売している車載レシーバー「AppRadio 2」は、スマートフォンのナビ画面やAVコンテンツを車載ディスプレイに表示できるというものだ。シリコンイメージジャパンの竹原茂昭社長は、「スマートフォンの進化は著しい。CPUはデュアルコアからクアッドコアになり、扱う映像はVGAからフルHDへと進化した。しかし、大きな制約は画面サイズと電池寿命。大画面テレビやPCモニターと接続することで、モバイル機器の利用シーンが増える」と指摘する。
MHL出力を前提とした高解像度スマートフォンアプリの例。Ariem Technologiesの「My YouTube Viewer」は、テレビ画面で24本のYouTubeビデオを一覧できる。操作はテレビのリモコンで行える
また、海外で最近増えているスマートフォンの活用シーンとして、テレビやBluetoothキーボードと組み合わせ、PC代わりに使うケースを紹介。「PCを持ち歩くほどではない仕事は、スマートフォンとテレビで済ませる人が増えている」(竹原氏)という。
スマートフォンに代表されるモバイル端末は、人々のライフスタイルにも大きな影響を与えている。その活用の幅を広げるMHLも、モバイル端末と一緒に広がっていきそうだ。
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