スマートウォッチは生活を変えるのか? ソニーモバイル「SmartWatch2」を試す(後編)(2/2 ページ)
現在、「SmartWatch2 SW2」と連係利用しているのは、実はスマートフォンではない。7インチ画面を持つ「AQUOS PAD」だ。やはり、こうした大画面端末と組み合わせた場合に最もしっくりくる。
例えば、前回紹介した「Gmailスマートプラグイン」「RSS Smart Extra」などは、GmailやRSSフィードの新着メッセージ/フィードを着信したら、バイブレーションで通知するとともに、タイトル及び本文の一部を情報を転送して、「SmartWatch2 SW2」側で見られるようにしてくれるものだ。メニューから「本体側で表示」というコントロールは実行可能だが、あくまでも通知が主体のアプリプラグインだといっていいだろう。また、「通話処理スマートプラグイン」「カメラスマートプラグイン」「ミュージックプレイヤースマートプラグイン」などは、スマートフォン/タブレット側の通話アプリやカメラ、ミュージックプレーヤーの遠隔コントロールを主体とするものだ(もちろん、そのために必要な通知や情報は受け取る)。
自分で用意した画像やプリセットの文字盤などを組み合わせて、オリジナルのアナログ/デジタル時計を作成可能な「Custom Watch」(ユーザー作成アプリプラグイン、299円)などは、一見すると、スタンドアローンのSmartWatch用アプリケーションで、スマートフォン/タブレット側では時計表示の初期設定(カスタマイズ)のみを行っているように思えるが、実はそうではないようだ。Bluetooth通信が切断された状態では起動できないことから、要は時計盤のイメージを画像情報として定期的に送信しているだけなのではないだろうか。
別にそれが悪いというわけではなく、もちろん、実際にプログラムの中身を見たわけではないので、実際の処理は少し違うのかもしれない。しかし、ユーザーの操作に応じて、スマートフォン/タブレット側で画像を次々に作成して送るという処理だけでも、アイデア次第でかなり面白いことができそうだと感じさせてくれる。ヤフーの「雨雲レーダー for SmartWatch」もその一例といえるだろう。
また、前回、Android用音楽プレーヤーアプリ「Poweramp」を遠隔コントロールするためのアプリプラグイン「Poweramp Control Pro」(194円)を多用していると書いた。スマートフォン/タブレット側の音楽プレーヤーを操作し、曲情報、アルバム情報などの閲覧、再生/一時停止、音量調節などが可能な点は、Sony Mobile Communicationsが提供する純正アプリと同様だが、「Poweramp Control Pro」は「Poweramp」専用だけにもう少し凝ったことができる。メニューからアルバム(フォルダ)や曲をリスト表示したり、曲スキップを長押しすることで、早送り/早戻しも可能だ(長押ししすぎると制御バッファが溜まるのか、若干暴走気味になるので注意は必要だが……)。
最近は、休憩時などには目を休める目的で、(個人的利用の範囲内で)録り溜めたラジオ番組を聴く機会が多いのだが、いちいちタブレットを手にとって操作しなくても、思い立ったら手元で聴きたい番組を探して、すぐに再生開始できるのは快適だ。また、音楽再生ではさほど必要ではないが、ラジオ番組の再生時では早送り/早戻しがほしいので、「Poweramp Control Pro」の存在は非常にありがたい。ただ、タブレット側で操作する際には、保存先であるSkyDriveの専用アプリから直接(メディアプレイヤーなどを起動して)ストリーミング再生していたのだが、現状では「SmartWatch2 SW2」からそんな操作はできないため、あらかじめタブレットへラジオ番組をダウンロードしておく必要がある(かれこれ30Gバイトほど録り溜めているので、全部はちょっと難しいが……)。
こうなってくると、SkyDrive上のファイルブラウズ+再生、あるいは、IPサイマルラジオ受信アプリ「radiko」をコントロールできるアプリプラグインがあればいいな、などとどんどん欲が出てくる(自分で作れ!といわれそうだが)。また、同じソニー系列といっても、さほどつながりはないのかもしれないが、ソニーコンピュータサイエンス研究所の“WEBのながら聴きラジオ”「Oto-Latte(オトラテ)」のコントロールを行うアプリプラグインくらいは国内発売と同時に用意してくれれば、面白い使い方の提案になったのではないかと思う。
以上のように、「SmartWatch2 SW2」は本体だけで実用的に使えるものではないし、当然ながら「できること、できないこと」がある。しかし、それらを理解したうえで、自分の生活スタイルにマッチすると感じれば、かなり面白く、また、役立つ存在になってくれることもたしかだ。スタンドアローンで動作するスマートウォッチ、日本語の音声認識でバリバリ使えるスマートウォッチなども待望しているものの、そうした製品の登場までにはもう少し時間がかかりそうだし、今のところは「これで満足!」というのが正直な心境だ。
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