転がるロボット「スフィロ」と「宇宙」の意外な関係(2/2 ページ)
東京ドームシティにオープンする宇宙ミュージアム「TeNQ」には、球形ロボット「sphero」(スフィロ)で遊ぶ、来場者参加型ゲームが設けられる。そのお披露目に、スフィロのソフトウェア開発を担当したアダム・ウィルソン氏が登場した。
スフィロを操ってロケットを打ち上げろ!
「アストロボール」は、5人(2面で計10人)が同時にスフィロを操り、障害の設けられたコースを時間内に突破するというアトラクションだ。参加者は宇宙飛行士の訓練生という設定で、スフィロはそのアバター。プレーヤーとコースは5色に色分けされ、スフィロも同じテーマカラーに光るよう設定されている。
コースは1本橋で、途中が曲がっていたり、クランクになっていたりとかなり意地悪だ。コースによって難易度が異なるため、スキルに合ったコース選びも重要な要素になる。
ゲームが始めると、まずスフィロの操作に慣れるための時間が与えられるのだが、初めての人にはなかなか難しい。また本番では決められた時間内にクリアしなければならないため、スフィロを一気に進めるか、慎重に動かしていくか悩みそう。ただし、橋から落ちてしまったときも横の斜面を登ってスタート地点に戻れるため、時間内なら何度でも挑戦できる。
時間内に訓練コースをクリアし、ゴールのロケット発射場に辿り着くと、中央のディスプレイにロケットが発射する様子が映し出される。クリアした人数によってロケットのサイズが変わる仕組みで、例えば全員がクリアすると補助ロケットを2つ装備した豪華3段ロケットになるが、1人しかクリアできないと1段だけの寂しい映像になってしまう。もちろん誰もクリアできないとロケットは飛ばない。ちなみに報道関係者5人で参加したときは、2人しかクリアできなかった。
ゲームの結果はともかく、スフィロはエンターテイメントジャンルのみならず、B to B市場を含めて着々と活躍の場を広げているようだ。ウィルソン氏によると、スフィロにカメラを付けて危険な場所の調査に使うといったプロジェクトも実際に動いており、既にある企業に納品したという。
またスフィロにはプログラミング用のアプリケーションが提供されており、ゲームなどのエンターテイメント用途はもちろん、教育分野でも活用が進んでいる。Orbotixでは1年前に「SPRK」(スパーク)という科学技術分野の教育プログラムを立ち上げ、それまでプログラミングなどの教育機会がなかった学校を対象にスフィロや開発キットを寄付して“楽しみながら学べる”環境を作った。
「私が子どもの頃、周りには何もなかった。お金やリソースに恵まれていたわけではないが、誰でも根気よく続ければ目標を達成できると思う」(ウィルソン氏)。
大勢の人が集まる「TeNQ」で、スフィロは子ども達にインスピレーションを与えることができるのか。「TeNQ」は7月8日にオープンする予定だ。
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