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クラスDアンプを磨いた3つのデバイス――パイオニア「SC-LX58」(2/2 ページ)

「Dolby Atmos」対応で注目を集める「SC-LX58」だが、AVアンプとしてのベーシックな部分にも大きく手を加えている。先代「SC-LX57」との違いを象徴する3つのデバイスを紹介してもらった。

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オペアンプも共同開発「NJM4585」


「SC-LX58」のアンプ基板

 3つめのデバイスは、新日本無線(JRC)と共同開発したオペアンプだ。JRCのオペアンプといえば、「MUSES」シリーズなどがオーディオファンにも有名だが、AVアンプなどに使われるチップにも定番といえる「NJM4580」という製品があった。


パイオニアホームエレクトロニクス技術部第1技術部技術1課の平塚友久副参事(左)と事業企画部商品企画部コンポーネント企画課 の山田喜行主事(右)

 「NJM4580」もオーディオ向けに配慮した専用品という位置づけだったが、やはりパイオニアは納得しなかった。これをベースに共同開発を行い、さらに低ひずみ、高スルーレート、広帯域、ノーノイズの「NJM4585」を作り出す。

 「高品位のシリコンウェハーを採用し、その面積にもこだわりました。最近は部材コストを下げるためにウェハー面積を小さくしがちなのですが、クロストークやグランドのパターンなど“面積も音に効く”からです。またワイヤー素材も音質評価を行い、金ワイヤーを採用しています」(山田氏)。


基板上でDACチップを取り囲むように配置されている「NJM4585」。より情報量が豊かでエネルギッシュなサウンドを実現したという

 部材にこだわり、クラスDアンプの音質底上げを図った「SC-LX58」。ちなみに、ルビコンのPML MUコンデンサー、JRCの「NJM4585」は、ともにエクスクルーシブなものではなく、オーディオアンプに最適化したデバイスとして市販された。このため、パイオニアの競合メーカーでも採用を決めたところも出てきている。「共同開発には相応の手間と時間がかかりましたが、これで業界が盛り上がればうれしいですね」(平塚氏)。

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