audioquest初のヘッドフォン「NightHawk」登場――開発に苦節2年、細部にまでこだわりを凝縮 (2/2 ページ)
ディーアンドエムホールディングスが「ポタ研」でaudioquestブランド初のヘッドフォン「NightHawk」を国内発表した。Westoneでチーフエンジニアを務めていたスカイラー・グレイ氏が2年をかけて開発したこだわりの製品だ。
使いやすいヘッドフォンを追求
本体重量は346グラムで、装着性に関しても多くのこだわりがある。さまざまな頭の形に合うよう、2本のサスペンションに均等に負荷がかかるように設計したほか、卵の殻から作られた「プロテインレザー」という、とてもフワフワな素材のイヤーパッドを採用した。パッドは交換しやすいように外しやすくなっている上に、エルゴノミクスデザインに沿って、前は薄めに作られている。そのためかけた感じは少し斜めとなる。こうすることでサウンドイメージはよりナチュラルになったという。
スカイラー氏は、イヤーカップに対して、耳に近似したものを作るという理念を立てた。初期の設計だと、イヤーカップは完成品より30%以上小さかったのだが、耳の上部にあたることがあったという。
このような設計を積み重ねることで長時間の聞き疲れを防ぎ、ヘッドフォンとしての装着性の快適さを追求した。技術やパーツの度重なる変更の裏には、ユーザーの長期使用に耐えうる設計理念が貫かれている。
品質へのこだわり
付属するケーブルの長さは2.4メートルで、ユーザー自身で交換が可能な着脱式となっている。同社の独自技術であるキャッスルロックを用いた、3.5ミリステレオプラグのものを専用開発した。ケーブルはハイパフォーマンスなスピーカーケーブルがベースとなっており、素材には高純度パーフェクトサーフェスカッパープラス(PSC+)が採用された。付属品として付いてくる3.5-6.3変換プラグも専用設計だ。通常は真鍮(しんちゅう)にニッケルメッキの汎用品を用いられるが、音響特性を追求するためレッドカッパーに厚いシルバー塗膜を施したものを用意した。
このような品質に対する姿勢は、ワールドプレミアとなった今年のCESで大きく評価され、ヘッドフォン部門のベストオブイノベーションに輝くなど、複数の賞を受賞した。
「高いパフォーマンスを継続的に、納得してもらえる価格で作ることが、われわれの使命です。NightHawkを作ることに決めたとき、われわれはそれが特別な存在でなければならないということはよく分かっていました。これ以上ありきたりのヘッドフォンを必要とする人などいませんから、品ものの存在価値が必要でした」というコメントをスカイラー氏は寄せている。
Audioquests社はNigitHawkという名前を「迫力と開放感を伝え、心と体の高揚感を想起させ、商品のデザインとフィーリングを引き立たせながらも、さらなる可能性を感じさせる」としている。日本語に直訳すると、宮沢賢治の童話で有名な「夜鷹」である。物語の中で幸福を求めて星になった鳥に、スカイラー氏とaudioquest社は最適化と挑戦がもたらす多くの可能性を託したのである。
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