「アッパーミドル以上で最強を目指す」 デノンのプリメインアンプ「PMA-SX11」
デノンは8月28日、プリメインアンプ「PMA-SX11」を発表した。チューニングのポイントは「繊細さと空気感」だという。
D&Mホールディングスは9月1日、デノンブランドのプリメインアンプ「PMA-SX11」を発表した。「PMA-SX1」をベースにしたアッパーミドルクラス。価格はオープンで実売想定価格は38万円(税別)。10月中旬に発売する。
SX1の「シンプル&ストレート」というコンセプトを継承し、アルミ製フロントパネルとアルミ無垢(むく)材削り出しの大きなボリュームノブを引き続き採用した。デノン担当者は「フラッグシップという位置付けではないが、アッパーミドルクラス以上で最強を目指す。音の繊細さと空気感を意識してチューニングしている」と語った。同日発表したUSB DAC搭載オーディオプレーヤー「DCD-SX11」と合わせて利用できる。
内部構成もSX1と同じく、大電流を扱える「Advanced UHC MOSシングルプッシュプル回路」を備えるが、出力段はBTL(Bridged Transless)ではない。定格出力は120ワット/8オーム、240ワット/4オームで、能率の低いスピーカーともマッチするとしている。
大電流を扱う回路の瞬発力を最大限に引き出す強力な電源回路も搭載。トロイダルトランス、カスタムブロックコンデンサー、ショットキーバリアダイオードで構成され、ひずみのないピュアで十分な量の電力を供給する。電源トランスはSX-1と同じ砂型アルミ鋳物のケースに特殊樹脂を満たして電源トランスから発生する振動を排除した。内部の振動発生源はフット近くに配置してグラウンドに振動を逃す設計で、電源部は異種素材を用いたフローティング処理(浮かすように配置)を施して増幅回路への振動を排除した。
SX1で開発したインピーダンス切替スイッチ付きのMC/MM対応CR型フォノイコライザーを継承。低域と高域で差が出ないフラットな再生と、素直で伸びやかな音質でのレコード再生を実現する。
入力は、バランス系統、フォノがMM/MC各1系統(スイッチで切替)、アナログ4系統を採用する。AVアンプのプリ出力などと接続してフロント2chの駆動に同機を使うためのエクターナル・プリアンプ入力端子も備える。バランス入力はスイッチ切替で3番HOT、2番HOTの両方に対応する。
アルミトップリモコンも引き続き付属する。アンプを操作していないときにマイコンへの電源供給(クロック)を停止するマイコンストップモードも継承した。デノンのネットワークオーディオプレーヤーと本機をリモートコントロールケーブルで接続すると、「Denon Hi-Fi Remote」アプリを使ってスマートフォンやタブレットで本機を操作できる。
本体サイズは435(幅)×181(奥行き)×506(高さ)ミリ、重量は27.4キロ。電源ケーブル、リモコン、単4乾電池2本が付属する。
関連記事
- 音を追求するとシンプルになる?――デノンがプリメインアンプの新フラグシップモデル「PMA-SX1」を投入
デノンは、約6年ぶりとなるプリメインアンプの最上位機「PMA-SX1」を10月中旬に発売する。回路構成と外観の両面で“シンプル”を突き詰めた「デノン渾身の作」だ。 - エントリー機でもDolby AtmosやDTS:Xに対応! デノンがAVアンプ2製品を発売
デノンからDolby AtmosとDTS:XをサポートしたAVアンプ「AVR-X2200W」および「AVR-X1200W」が登場。HDMI入力も4K/60pにHDCP2.2を全端子でサポートするなど意欲的な仕様だ。 - 始めるなら今! Dolby Atmos対応Blu-ray Disc 6タイトルを一気にインプレッション
昨年秋以降熱心なAVファンの間で話題を集めているのが、新しいサラウンド・フォーマット「Dolby Atmos」だ。今回は機器の最新動向からトップスピーカー設置のコツ、対応Blu-ray Disc 6タイトルのインプレッションまでをお届けしよう。 - DTS、オブジェクトベースの次世代サラウンドフォーマット「DTS:X」の詳細を発表
米DTSは、新しいサラウンドフォーマット「DTS:X」(ディーティーエス エックス)の詳細を発表した。対応するAVアンプも2015年中に登場する。 - 「本当にHi-Fiとしても使えるAVアンプ」――デノンから2年ぶりのフラグシップ機「AVR-X7200W」登場
D&Mホールディングスは、デノンブランドのAVアンプ新製品「AVR-X7200W」を発表した。「Dolby Atmos」対応に加え、既存のスピーカーを活かせる柔軟なスピーカーアサインを実現。本体はDACや電源を含めて“音”を練り直したという。 - ホームシアターの革命、Dolby Atmosの衝撃(前編)
ホームシアター市場を賑わせている「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)。劇場では評価の高い技術だが、ホームシアターに何をもたらすのだろうか。AV評論家・麻倉怜士氏に解説してもらった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.