もっとも多くの4Kタイトル、そしてHDR――CEOが語る「NETFLIX」のこれから:オススメ4Kタイトルリスト付き(3/3 ページ)
新作タイトルの確保が難しいサブスクリプション型サービスでありながら、独自コンテンツを製作するという手法で成功している「NETFLIX」。米Netflixの創業者でCEOのリード・ヘイスティングス氏に4KコンテンツとHDR対応、そして今後の目標を聞いた。
――世界的にみて「プレミアムプラン」のユーザーは多いのですか?
ヘイスティングス氏:多くの国ではHD対応のプラン(スタンダードプラン)が中心です。ただ、われわれはどのプランが何人というドリルダウンはしません。なぜならユーザーはいつでもプランを変更できるフレキシブルなサービスだからです。
――オリジナルコンテンツでウォシャウスキー姉弟のようなビッグネームを使える秘密を教えてください
ヘイスティングス氏:先ほど申し上げた「選択と自由」でしょう。クリエイターの方々もそれにひかれているのです。例えば「火花」の又吉直樹さんもたくさんの選択肢があったと思いますが、NETFLIXなら世界中の視聴者に選択と自由を提供できます。そう思ってくれたのではないでしょうか。
HDR対応の準備も着々と
――HDR(ハイダイナミックレンジ)対応の現状について教えてください
ヘイスティングス氏:今、テレビメーカーと一緒に作業をしています。もっともHDRは、Dolby VisionやUHDアライアンス標準など複数の規格があり、どのソリューションがスタンダードになるのか、まだ分からない段階です。私は両方の映像を見ましたが、画面が明るすぎて空の映像を見るときには「サングラスが必要だ」と感じたほどです。対応モニターもまだ高価ですし、家電としては来年以降が本番になるでしょう。
われわれはスタンダード(業界標準)が決まったとき、視聴者にHDRコンテンツをお届けできるように準備しています。これもネット動画配信の良いところ。例えば放送ではすべてのテレビで見られる形でしかコンテンツを送り出すことができませんが、ネットはテレビが進化したらそれぞれのテレビに合わせた形でコンテンツを届けられるのです。
――グローバル戦略の見通しを教えてください
ヘイスティングス氏:来年には「Youtube」のように全世界規模でサービスを提供しようと考えています。そして全ての国とはいいませんが、市場の大きな国ではオリジナルコンテンツも製作します。直近のアジアではインターネット環境が整っている国から提供し、韓国、中国、インドなど、どこで作られたものでもグローバルで見られるようにします。個人では絶対に見きれない量のコンテンツを供給しますよ。
われわれはユーザーに「満足してもらう」ことを追求しますが、長期的には成功したいと考えています。目標は、全世界の3分の1がNETFLIXのユーザーになること。米国では既に達成しています。
リード・ヘイスティングス氏のプロフィール
1983年にボドウィン大学を卒業、1988年にはスタンフォード大学から人口知能の研究でMSCS(科学修士号)を取得した。1991年にソフトウェア開発者用のツールを作るPure Softwareを創立。同社は1995年に上場した後、別の会社との合併を経てRational Softwareに買収された。1997年にはネットフリックスを共同創業。2007年から2012年までMicrosoftの取締役、現在もFacebookの取締役を務めている。また教育分野での熱心な慈善事業家でもあり、2000年から2004年にかけてはカリフォルニア州教育委員会委員を務めた。現在もCCSA、 Dreambox Learning、KIPP、Paharaなどの教育分野団体の理事職を務めている。
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