パイオニア、DTS:Xにも対応するフラグシップAVアンプ「SC-LX89」など3機種を発表
パイオニアは、同社製AVアンプの上位ラインアップにあたる3機種を発表した。いずれもDolby Atmosに加え、ファームウェアアップデートでDTS:Xもサポートする9.2ch対応機。
パイオニアは9月10日、同社製AVアンプの上位ラインアップにあたる3機種を発表した。いずれもDolby Atmosに加え、ファームウェアアップデートでDTS:Xもサポートする9.2ch対応機。価格は「SC-LX89」が39万5000円、「SC-LX79」が29万5000円、およびミドルレンジの「SC-LX59」が21万円(すべて税別)。10月中旬に発売する。
新ラインアップのコンセプトは3つ。まず全チャンネル同一条件設計のClass Dアンプ「ダイレクトエナジーHDアンプ」と音場補正技術の「MCACC Pro」と「フルバンドフェーズコントロール」により、最新のオブジェクトオーディオを家庭でも高いレベルで再現すること。
2つめはネットワーク機能の充実。ハイレゾ再生の対応フォーマットを拡大し、ネットワークプレイヤーとしての機能を磨いたこと。新たにDSDの5.6MHz(2ch)再生をサポートした。
そして3つめはトレンド機能を抑えること。4KパススルーやHDCP2.2に加え、HDR信号も伝送できるHDMI端子を8系統装備。Wi-FiはIEEE 802.11a/b/gに加え、2.4GHzと5.2GHz帯のデュアルバンドに対応したIEEE 802.11nとなった。また無線ルータがない環境でもスマートフォンやタブレットを直接つなぐことができる「Wireless Direct」もサポート。一方でWi-FiやBluetoothをオフにする設定を設けるなど、音質最優先のユーザーに対する配慮もある。
新形状のインシュレーター
DACにESSの“SABRE32 ULTRA”「ES9016S」を2基搭載。またオーディオ専用に開発されたカスタムコンデンサー、ルビコンと共同開発した薄膜高分子積層コンデンサー「PML MUコンデンサー」などで音質を磨いた。オペアンプはJRCと共同開発した「NJM4585」、さらに「SC-LX89」のアナログ電源部には漏洩磁束の低減を図る専用チューンの電源トランスを採用するなど、部材の開発やチューニングに力を入れている。
インシュレーターも新開発だ。内部構造の平行面をなくすことで「空洞共振を原理的に発生させない」(同社)というもので、音の低位や音数、音階がより明確になったという。
3モデルとも内蔵のパワーアンプは9chだが、プリアウトは11.2chぶん備えており、別途2ch分のパワーアンプを用意してDolby AtmosやDTS:Xで7.1.4や9.2.2といったスピーカー構成が可能だ。一方でドルビーイネーブルドスピーカーもサポートすることで天井スピーカーを設置できない環境もカバー。「MCAAC Proには、独自のバスマネジメントや天井での反射を考慮した距離測定機能など、イネーブルドスピーカーでもより正確な再現性を追求した」(同社)。
初期導入のサポートも充実させた。家庭内ネットワークでスマートフォンやタブレットを使ってAVアンプのネットワーク設定が行える新アプリ「Start up Navi」に対応したほか、機器の配線などを教えてくれる「接続ナビ」やリモートコントロールアプリ「iControlAV5」も利用できる。なお、パイオニアによると、「iControlAV5」では操作できるAVアンプを2011年発売モデルまで拡大し、「VSA-921」や「SC-LX85」などでも利用できるようになるという。
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