第186回 曇天と水着とアングルの関係:今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)
回数を見て「ん?」と思った人もいるかもしれないが、1年ぶりとなったデジカメ撮影術は、13回目を迎えた海辺での水着撮影なのである。残念ながら今年は天気に恵まれなかったが、曇りなら曇りでいろいろと撮りようがあるのだ。
撮影者が動き回ろう 絞り値に気を付けよう
曇天下の岩場なんて明るく爽やかな写真になりそうもないので(なったらなったでうさんくさいし)、砂浜へレジャーシートを敷いてゴロゴロするのである。
風が強かったので四隅をその辺の石で押さえてるけど、ご勘弁を。で、ゴロンと寝転がる。海に入れないなら海辺でのんびりしちゃえ、的な感じで。
仰向けで寝転がった姿を足下から撮るのはちょっとアレです。やっぱ顔を下から撮ることになるのでアゴあたりがアレだったり鼻の穴がアレだったり、いろいろアレで、顔を下から撮って欲しい女子というのはあまりいないわけで、頭の方から。
ここから始めてみる。でもこれじゃあ写真としていろんな意味であんまりなので、しゃがんでちょっと寄ってみる。
ぐっと寄るときは「手前側の目にピントを合わせる」こと。最近のデジカメは「瞳検出AF」という、自動的に目にピントを合わせてくれる機能を持っているものが多いが、それがない場合は「顔のどこか」じゃなくて「目」に合わせるべし。
さらにぐぐっと姿勢を低くして。チルト式モニターのカメラならモニターをチルトさせて、そうじゃない場合は砂浜にはいつくばって撮る。ちょっとリラックスした感じが出てきた。
そのまま横へ。伸びる腕を中心に持ってきたらちょっと変な写真になったけどこれはこれで。
さらに斜め下へ。カメラを変えて真横から。すごく明るいレンズで絞り開放で撮ってみた。ほぼ真横。
これはこれで不自然だけど不思議な感じ。
もうちょっと頭の上の方から、これ。だんだん海らしく爽やかで派手な写真になってまいりました。
これ、F1.2という超明るいレンズで絞り開放で撮っている。曇天とはいえ、夏の昼間なのでシャッタースピードは1/20000秒(ISO200)である。
普通、こんな速いシャッタースピードは切れないわけで、今まで昼間の屋外で絞り開放で撮りたいときはレンズに「NDフィルター」という、簡単に言えばレンズに付けるサングラスのようなフィルターを付けて光量を落として対応していたのだが、最近のミラーレス機は「電子シャッター」を使えるため対応できるのである。
メカシャッターだと普及機で1/4000秒、ハイエンド機で1/8000秒くらいが上限なのだが、電子シャッターなら1/16000秒や1/32000秒という超高速シャッターでの撮影ができる。電子シャッターには欠点もあるので常用は難しいが、こういうシーンなら問題なし。有難い時代である。
でもF1.2なんてレンズだと目にピントが合って身体や口元がボケちゃってる。絞り開放は背景が大きくボケて気持ちいいけど、どこまでピントを合わせるか、背景はどのくらいぼかしたいかちゃんと考えて撮るべし。
どのくらいの絞り値にするかはお好みで。明るいレンズだからといって絞り開放ばかりで撮るのも芸がない。開放からF5.6の範囲で、どのくらいぼかしたいか、どのくらいまでフォーカスを合わせたいか考えつつ撮りたい。
仰向けシリーズ最後は肘をついて身体を起こしてもらって、正面からと、後ろから。
同じ姿勢でも撮影する角度や高さで写真は大きく変わるもの。それが面白いのである。
寝転がってばかりもアレなので、座りポーズも。こちらは2パターン撮ってみた。
1つは片膝を立ててかかえてもらって。
正面から。
少し斜め。
横から。
結局、少しカメラの位置を下げ、真正面からこのカットがいいかなという結論に。
膝を抱えたらせっかくの水着が見えないじゃないかと、いう方へ、あぐらポーズも。これはこれでよいものです。
もう1つ、やっぱりこのアングルは欠かせないようね、ということで、斜め上から可愛く撮れる角度でF8まで絞ったくっきりしたカットをどうぞ。
撮り慣れてると、その場でこの角度からこういう風に撮るとこうなるな、ってイメージできるのだけど、そうじゃないうちは意識して動き回って見るのがおすすめ。
(モデル:佐藤杏奈/オスカープロモーション)
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