“雪の下”を再現して野菜の甘みをアップ、シャープの新「メガフリーザー」
シャープは、大型冷蔵庫「メガフリーザー」の新製品を9月から順次発売する。雪国で野菜を雪の下に置いて長期間鮮度を保つ方法に近い状態を再現する「雪下シャキット野菜室」などを新たに搭載した。
シャープは8月30日、大型冷蔵庫「メガフリーザー」の新製品「SJ-GT55C」など4製品を発表した。家庭で食材を無駄にしてしまう「フードロス」の削減を目指した冷蔵庫。新たに「タイマー冷凍」と「雪下シャキット野菜室」というユニークな機能を追加している。
SJ-GT55Cは、庫内容量551Lのうち、192Lが冷凍室という長期保存を重視した冷蔵庫だ。このうち上段の冷凍室に設けられたのが、新しい「タイマー冷凍」機能。−40°Cの冷気で30分間限定の急冷・急凍を行う。「例えばグラスやドリンクを素早く冷やすことができるため、急な来客などに対応できる」(同社)。なお、常温のものを0°近くまで急速に冷やすことが目的のため、30分後には通常の冷凍温度帯になるという。
もう1つの大きな進化が野菜室だ。「雪下シャキット野菜室」は、雪国で野菜を雪の下に置いて長期間鮮度を保つ方法に近い状態を再現する。そのメリットは、保存性のアップと「野菜は雪の下という低温密閉状態に保たれることで、寒さから身を守ろうとでんぷんを糖に分解することで甘みが増す」(同社)
青いトレー(うるおいガード)のある場所が「雪下シャキット野菜室」。上はチルドルーム、向かって左側は氷室とタイマー冷凍室、下を大容量冷凍庫に囲まれている。さらに外壁にも冷気を流して「5面輻射冷却」を実現した
雪下を再現するため、冷凍室やチルドルーム、氷室に囲まれた場所に野菜室を設け、冷気を直接送り込むのではなく、周囲からの輻射冷却で野菜室全体を冷やす構造とした。これは「冷気を直接送り込むと湿度が下がってしまうが、輻射冷却にすることで90%以上の湿度を保持できる」(同社)ためだ。一方で温度帯は通常の野菜室よりも少しだけ低い2〜5°Cに設定した。本当の雪の下は0°C近いが、そこまで下げると今度は果物などに悪影響を及ぼすためだ。
同社の検証によると、雪下シャキット野菜室によって葉物野菜や根菜の保存性が約20%アップ。また7日間保存した人参は甘みが約20%増し、きゅうりでは食感(固さ)が約27%向上した。「週末に1週間分の食材をまとめ買いするケースにも対応できる」としている。
このほか、調味料を斜めに入れることで奥のビンも出し入れしやすい「段々スパイスポケット」や、縦/横のバーを動かして庫内を柔軟に分けられる「4切り名人」(しきりめいじん)など使い勝手を向上させる工夫も追加したメガフリーザー。4タイプの製品を9月から順次発売する予定だ。
型番 | SJ-GT55C | SJ-GT51C | SJ-GT48C | SJ-GT52C |
---|---|---|---|---|
ドア数 | 6ドア | 4ドア(両開きドア) | ||
定格内容積 | 551L | 505L | 480L | 415L |
タイマー冷凍 | ○ | |||
雪下シャキット野菜室 | ○ | |||
実売想定価格(税別) | 35万円前後 | 32万円前後 | 31万円前後 | 26万円前後 |
発売時期 | 9月23日 | 10月20日 |
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