シンプルなボディにF1.4という明るいレンズ、パナの高級コンデジ「DMC-LX9」の実力は?(3/3 ページ)
とうとうパナソニックが高級コンデジ主戦場にカメラを投入してきた。「DMC-LX9」は、ソニーの「RX100シリーズ」やキヤノンの「G7 Xシリーズ」とガチでぶつかるスペックである。真っ向勝負である。
普通に人物を撮った写真もどうぞ。
気になったのは背面モニターのチルト軸が1つであること。上には回転するので自撮りやローアングル撮影はしやすいが、逆に傾かないのである。このクラスなら2軸にしてハイアングルにもローアングルにも対応してほしかったと思う。
でも、オートや絞り優先AEを中心にカジュアルに高画質を楽しむカメラと思えばよい。パナソニックが得意とする4K動画や、それを応用した4Kフォトやフォーカスセレクトは搭載しているし、フォーカスセレクトには撮影画像を合成して広い範囲にピントが合ったパンフォーカスな写真を作る合成機能もついた。
シーンモードも豊富だし、AFも連写も高速だ。空間認識AFは非常に快適で、タッチAFを併用すればAFで困ることはないだろう。
iAモードは優秀で料理自動認識機能を持つコンデジはパナソニックだけ。iAモードにタッチAFを組み合わせればたいていの撮影はこれで済んじゃうだろう。F1.4の明るさを楽しみたいときは絞り優先AEにすればいいのだ。
iAモードでラーメン。自動的に料理と認識して明るくおいしそうに撮ってくれた。何よりレンズが明るいので、店内でもあまり感度をあげずに済むのは特筆すべき。24mm相当 1/125秒 F1.6 ISO125
バッテリーへの充電もUSB充電対応なのでモバイルバッテリーを持っていればバッテリー切れにも対応できる。
同社のLXシリーズといえば前モデルのLX7にしろ、ワンランク上のLX100にしろマニュアル撮影に強い、凝った撮影を楽しみたい人のカメラというイメージが強かったが、LX9はそれよりもコンパクトさやカジュアルさを重視した、より多くの人が気軽に楽しめるハイエンド機になったのだ。
凝った撮影をしたい人にはその辺の操作性やさらっとしてて指が滑りそうなグリップに不安を感じるだろうし、このハイエンドなレンズとカジュアルなボディのアンバランスさが気になる。というか、わたしは気になった。
マニュアル指向の人には向かないかもしれないが、価格も抑えめだし、カジュアルに楽しめてコンパクトで高画質な本格派コンデジと思えばとても良いカメラである。
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